【VIC24日】 若者がスーツケース1つとタオル1枚に入ったコカインで摘発された事件で、判事は「簡単に稼げる」といったドラッグ取引の誘惑には価値がないと警告した。
VIC州カウンティ裁判所は1月3日、商業量の違法薬物の輸入未遂罪で有罪を認めた22歳のスイス国籍レダ・ラガイ被告の刑を言い渡した。ラガイ被告は、メルボルン空港でオーストラリア国境警備隊に逮捕された。彼が受け取った黒いスーツケースの中には、個別包装された21個のコカインブリック、合計25kgとタオル1枚が入っていた。
ラガイ被告は当初、自分でスーツケースを梱包したが鍵をなくしたと主張した。調査によると、彼はスイスで知人に声をかけられ、飛行機代と宿泊費として4,000ドルを渡され、米国とオーストラリアに行くよう指示された。ラスベガスで1週間過ごした後、ロサンゼルス空港付近で「知らない人物」からスーツケースを受け取り、ユナイテッド航空でメルボルンへ向かった。中身について質問はせず、メルボルン空港外で荷物を引き渡すよう指示されていたという。被告は警察に対し、中身について考えなかったと述べ、「知らなければ知らないほど良い」と話している。
判事のピーター・ローゼン氏は、被告に懲役8年8か月の刑を言い渡し、この事件を「国際薬物取引に伴うリスクの戒め」と位置づけた。判事は、薬物をオーストラリアに持ち込もうとする簡単に稼げる誘惑に駆られる者は、逮捕されるリスクが高いと警告した。「誘惑される者へのシンプルなメッセージは、『やる価値はない』ということだ」
裁判では、被告は実質的に「運び屋(クーリエ)としての役割」を担ったと認定されたが、国際的な薬物取引は、この「人間の悲惨を生む犯罪の重要な一部」を引き受ける人がいなければ成立しないとも述べられた。被告には前科はなく、ジュネーブにいる家族はこの事件にショックを受けたという。
判事はラガイ被告が「まだ人生の可能性が十分にある」ことから、再犯の可能性は低いと判断した。しかし被告は、仮釈放の資格を得るまで最低4年10か月を服役することを告げられた。
ソース:news.com.au – Swiss national Reda Raghay jailed for more than eight years after cocaine bust