【NSW25日】 数百万ドル規模の邸宅が立ち並ぶシドニーの高級住宅街で、住民たちが「オペラハウスの眺望を妨げている」として街路樹の伐採を求め、議会がこれを承認した。
ボンダイやブロンテなどの海辺の高級住宅地を管轄するウェーバリー市議会に対し、ドーバー・ハイツのマイユナ・ロード沿いの住民たちは、通りに植えられたタッカールー(tuckeroo)という樹木が成長し、「象徴的な景観」を完全に遮っていると訴える請願書を提出した。
請願書には次のように記されている。「タッカールーが植えられる前、通りの木々は高さ3m以下で、1〜23番地の間では象徴的な景観を妨げることはなかった。しかし、10年以上前に市議会が新たに植えたタッカールーは現在高さ4〜8mに達し、葉が生い茂ってオペラハウスとハーバーの景観を完全に遮っている」
住民らは「植樹前の眺望を示す写真を証拠として持っている」と述べ、現在の市の樹木方針ではタッカールーはこの場所に適さないと主張。過去に市が剪定を行ったが「高さの調整がされず、眺望は回復しなかった」としている。21人の署名が集まった請願では、タッカールーの伐採と、代わりに高さ3mを超えないオーストラリア原産のグレヴィレア(Grevillea)の植樹を求めた。
先月、市議会はほぼ全会一致でこの請願を支持し、伐採を決定した。「市議会はタッカールーの伐採と、2.5mを超えない適切な植物への植え替えを決議した。この作業は今後数カ月以内に実施される予定だ」と市報道官は述べた。
一方、緑の党の市議員のルドヴィコ・ファビアーノ氏はこの決定に反対票を投じた。「木は日陰を作り、歩道の熱を防いでくれる。木を切ることで鳥などの地域の生態系を守る責任を果たせていない」と批判した。「多くの人が景観を優先しているようだが、公共の通りからも十分に景色は見られるはず。なぜ木を切りたいのか理解できない」
ドーバー・ハイツはシドニー東部の高級海岸地区で、住宅は数百万ドルで取引されている。
ソース:news.com.au – Waverley Council votes to cut down tuckeroo trees on multimillion-dollar street blocking Sydney Opera House views