生活

メディケア大改革、今週末から実施へ

【ACT28日】   オーストラリア政府は79億豪ドル規模のメディケア改革を今週末から実施する。これにより、より多くのオーストラリア国民が無料で医師の診察を受けられるようになる見込みだ。

現在、連邦政府発行のコンセッションカード(低所得者・年金受給者などが対象)保持者と16歳未満の子どもは、医療機関での「一括請求(バルクビリング)」サービスを利用できる。

11月1日からはこの対象が拡大され、メディケアカードを持つすべてのオーストラリア国民が一括請求サービスを利用できるようになる。さらに、政府は「バルクビリング診療所奨励プログラム(Bulk Billing Practice Incentive Program、BBPIP)」を導入。これにより、プログラムに登録する診療所や医師には、診療報酬に加えて12.5%の追加インセンティブが支払われる仕組みとなる。

このメディケア改革は、アンソニー・アルバニージー首相率いる労働党が連邦選挙で掲げた主要公約の一つ。首相は、バルクビリング率の低下を受けて今年2月、メディケアに80億豪ドルの投資を行うと発表していた。

実際、バルクビリング率は2020年の89%から2024年には78%へと大幅に下落していた。首相は「2030年までにGPの9割がバルクビリングを導入する」との目標を掲げている。

この目標達成には、全国で約4800の診療所が制度に参加する必要があるが、10月下旬の時点で登録しているのは900件にとどまっていると、マーク・バトラー保健・高齢化担当相が27日に明らかにし、「今週中にこの数はさらに増える見込みだ。すでに導入を決めている診療所も、まだ正式に政府に通知していないケースが多くあるだろう」と述べた。また、まずは一部の診療所が「第一波」として導入を始め、他の診療所が追随していく形になると説明した。

バトラー氏は、今回の改革は患者だけでなく、診療所や医師にとっても利益があるとも強調した。「2年前、フルタイムで完全バルクビリングを行っていたGPの平均年収は、診療所の経費を差し引いた後で約28万豪ドルだった。しかし今週末以降は、年間40万豪5000ドルに増加する。つまり12万5000豪ドルの増収だ」

ソース:news.com.au – Huge $7.9bn Medicare overhaul coming this weekend

この記事をシェアする

その他のオーストラリアニュース記事はこちら