【NSW29日】 オーストラリアの首都中心部で、新築建物におけるすべてのガス機器の使用を禁止する方針が決定された。
シドニー中心部では、約1年余りで新築建物へのガス機器導入が全面的に禁止されることになる。
シドニー市議会は27曜日、新築住宅や事業所でのガス機器使用を禁止する決議を正式に承認した。この決定は、6月に同市が新築住宅でのガス機器(コンロ、オーブン、ヒーターなど)の使用を制限することを決めた流れを受けたものである。シドニー市はこの動きを「健康、気候、生活費のすべてにおいて勝利だ」とし、気候・医療関連団体の支持を得ていると述べた。
新たな規制は2027年1月1日から施行され、延べ床面積1000平方メートルを超える新築オフィスや、100室以上のホテル・サービスアパートメントに適用される。この変更は既存建物や改修工事、また電化が困難な産業用建物には適用されない。再生可能ガスは引き続き新規開発で使用が認められる。
また、新築のカフェやレストランも、将来的な電化に対応できるよう配管やスペースを確保する場合に限り、ガス接続の使用が許可される。
この「脱ガス」政策は、27日の市議会で審議され、84件の意見提出のうち60件が賛成した。クローバー・ムーア市長は、「環境にも健康にも良い改革だ」と述べ、ガスコンロが子どもの喘息の約12%に関連しているとの研究を引用した。
オーストラリア環境医師会(Doctors for the Environment Australia)代表で神経科医のショーン・ワトソン氏によると、ガスの排除はシドニー市民の生活の質を高めるという。ワトソン氏は、「屋内でガスを燃やすと、地球温暖化を進める二酸化炭素が排出される。家庭内で使用されるガスは、二酸化窒素、ベンゼン、ホルムアルデヒドといった物質も放出し、これらは小児喘息の引き金となり、がんにも関連している」と述べた。
ソース:news.com.au – City of Sydney to outlaw gas appliances on all new homes and businesses