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KmartやTargetの遊び用砂リコール、70校以上が閉鎖

【ACT17日】   オーストラリア首都特別地域(ACT)内で70校以上の学校が閉鎖された。これは、KmartやTargetなど大手小売店が販売していた遊び用砂にアスベストが含まれている可能性があるとして回収したことを受けたものだ。

14日、ACT教育局はオーストラリア競争消費者委員会(ACCC)の助言に従い、少なくとも15校を閉鎖した。ACCCによる全国規模のリコールでは、Kadink装飾用砂に天然アスベストの一種であるトレモライトが含まれる可能性があることが判明した。この砂は一部の学校で感覚遊びや美術工作に使用されていた。

17日までに影響を受ける学校の数は大幅に増え、キャンベラおよびジャービスベイ周辺の72校が閉鎖された。ACT政府の監査によると、69校がKadink装飾砂を在庫しており、さらに3校が少量の孤立した在庫を持っていた。約20校は在庫がなく、月曜日の朝には通常通り開校する予定である。ACT政府は閉鎖は予防的措置であり、評価、清掃、リスク除去を行うためだとしている。

16日、ACT教育大臣のイヴェット・ベリー氏は、「作業には数日かかる可能性がある」と述べた。「教育担当者とアスベスト専門業者が週末を通して可能な限り多くの教室を清掃した」と説明した。Kadink砂を使用している学校では、ACT緊急サービスの支援を受けて視覚検査が行われる予定で、その後、許可を持つアスベスト業者がテスト、除去、安全確認を行う。

SA州では100か所以上でKadink砂が確認され、うち約20か所には散乱した砂があった。さらに88校では容器入りの砂があり、州政府が管理・撤去を支援している。NT準州では14日午後3時30分時点で41校に影響製品が確認されたが、閉鎖された学校はなく、必要に応じて教室を隔離してテストを行う予定だという。ブリスベンでも1校がリコールを受けて閉鎖された。

NSW州では17日の時点で閉鎖された学校はなく、州政府スポークスパーソンは「予防措置として、すべての公立学校に安全に砂製品を撤去するよう通知を送った」と述べた。

リコール対象製品には、KmartとTargetで販売されていた14ピースのサンドキャッスル作成セット、ブルー・グリーン・ピンクのマジックサンド、Officeworksで販売されていた装飾砂10gの6個セットなどがある。その他、ECレインボーサンドやCreatisticsのカラーサンドなど、合計で複数の砂製品が回収対象となっている。影響製品は全国80以上の小売店で販売されていた。

アスベストは2003年以降オーストラリアで輸入が禁止されている。吸入すると肺組織を損傷し、石綿症、肺がん、中皮腫などを引き起こす可能性がある。症状が現れるまでには20〜30年かかる場合がある。トレモライトはオーストラリアの一部の岩石、堆積物、土壌に自然に存在するアスベストである。

ACCCによると、影響製品の検査でアスベストが検出されたが、健康へのリスクは低いとされている。ベリー大臣は、これまでの助言ではリスクは低く、空気中のアスベスト検査でも陰性であったと説明した。ACTでは安全衛生法に基づき、リスクが疑われる場合はアスベストとして扱うことが求められるとしている。リコール通知によれば、砂を機械的に粉砕したりしない限り、呼吸可能なアスベスト繊維が飛散する可能性は低いとされている。

ソース:news.com.au – More than 70 schools closed over asbestos sand after Kmart, Target recall

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