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豪労働者の未消化有給休暇2億900万日に到達

【ACT19日】   オーストラリアの労働者が未消化の有給休暇を2億900万日分抱えるなか、フルタイム雇用の減少が進んでいる。

オーストラリアでは夏を前に、過去最大級となる有給休暇の未消化が積み上がっており、未使用の休暇は2億900万日を超えている。市場調査会社ロイ・モーガンの最新データによると、数百万人の労働者が2024/25年の休暇シーズンに向け、パンデミック期のロックダウン期間や物価高騰により積み上がった有給休暇を大量に抱えた状態にある。

ロイ・モーガンのCEOミシェル・レヴィーン氏は、有給休暇の増加はパンデミック期から続き、2023年から2025年にかけても「長期化する生活費危機」の中でさらに伸びたと述べた。ただ、直近になってこの傾向は鈍化したという。

レヴィーン氏は、有給休暇消化の増加が鈍った理由として「雇用構造の変化」を挙げる。調査によると、有給休暇の未消化は今年初めに過去最高の2億1600万日に達した後、9月には2億900万日まで低下した。それでも2年前より900万日多く、5年前と比べると6000万日多い。

ロイ・モーガンによれば、この鈍化はフルタイム雇用の急減と、パートタイムおよびカジュアル雇用の増加に由来する。同社の最新の雇用データでは、2024年10月以降フルタイム就業者が51万1000人減少した一方、パートタイムは48万4000人増加している。労働者の約半数は5週間未満の有給休暇しか持たず、有給休暇を全く保有しない労働者は520万人、つまり約35%に上る。

一方、休暇を保有している人だけに絞ると、その平均は約20日と、実質4週間分に相当する。パンデミック期には有給休暇が大幅に増加し、労働者1人あたりの休暇はコロナ前の12.3日から2022年末には14.3日に跳ね上がった。

レヴィーン氏は「増加の大部分は、2020~2022年のパンデミック期間に、国民が自宅待機を余儀なくされたために起きた」と説明する。伸びが止まりつつあるとはいえ、膨大な未消化休暇は国内観光産業にとって大きなチャンスだ。5週間以上の休暇を持つ労働者は150万人を超え、旅行業界にとっては書き入れ時の夏に向けて魅力ある市場となる。

ソース:news.com.au – Australian workers now hold 209 million days of unused annual leave as full-time jobs decline

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