【NSW12日】 NSW州政府は、憎悪をあおる説教への取り締まり強化の一環として、無許可の礼拝所を閉鎖できる新たな権限を地方自治体に付与する法改正を導入した。
新措置により、法的な都市計画上の許可を得ずに運営されている礼拝所について、自治体は閉鎖命令を出した後、従わない場合には電気や水道などの公共インフラを停止できるようになる。
クリス・ミンズ州首相は、「地域活動を装った憎悪、威圧、過激主義がNSW州に存在する余地はない」と述べた。「これらの改革により、違法に運営され、分断を広げる施設に対して自治体が実効性のある対応を取れるようになる。運営者が法律を無視して閉鎖に応じない場合、自治体はインフラを遮断し、恒久的に閉鎖できる」さらに、「社会的結束を守り、地域の安全を確保し、オーストラリア人として私たちを結びつける価値観を守るための措置だ」と強調した。
また、自治体は新たな公共礼拝施設を承認する前に、地域の安全性について警察と協議することも義務付けられる。ヤスミン・キャトリー警察相は、「都市計画法は地域社会を築くためのものであり、違法行為の隠れみのになるものではない」と述べた。「礼拝所であれ他の施設であれ、許可なく運営され、使用停止命令を無視する場合、自治体には実効的な執行手段が必要だ。インフラ遮断を求める権限を与えることで、計画上の決定が尊重され、違法な『憎悪の工場』が存続することを防げる」
「憎悪の工場(factories of hate)」という表現は、ボンダイで起きた大量殺傷事件を受けて広まった。シドニーでユダヤ系の祭り参加者に向け、ISISに影響を受けたとされる2人の銃撃犯が発砲した事件を契機としている。この言葉は、違法に運営されながら、憎悪や威圧、地域社会の分断を助長する場所を指す。
昨年12月には、カンタベリー=バンクスタウン市議会が、ウィサム・ハダド氏が説教を行っていたバンクスタウンのアル・マディナ・ダーワ・センターについて、無許可の礼拝所として閉鎖に動いた。1970年までさかのぼる記録調査の結果、同施設は礼拝所としての運営許可を一度も得ておらず、最近になって医療センターとしてのみ承認されていたことが判明した。
また、ボンダイビーチで15人が死亡した事件の銃撃犯の一人とされる24歳のナヴィード・アクラム容疑者が、同センターに頻繁に出入りしていたとみられている。ハダド氏は反ユダヤ的発言をめぐりNSW州最高裁に提訴され、裁判所から「根本的に人種差別的かつ反ユダヤ的」と認定された一連の講義の削除を命じられている。
ソース:news.com.au – NSW councils to be empowered to cut off hate preaching venues