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豪人ISIS家族残る最後のグループが足止め

【ACT17日】   シリアの難民キャンプからオーストラリアへ向かおうとして引き返した、いわゆるISISの“花嫁”とその家族の一団に対し、アンソニー・アルバニージー首相は明確なメッセージを示した。「自分で招いた結果は自分で受け止めるべきだ」というものだ。

シリア北部プレスによると、約34人の女性と子どもで構成される11家族は16日、ダマスカス近郊のアル・ロジ・キャンプを出発し、ベイルートを経由して「最終的にオーストラリアへ向かう」計画だった。しかし出発からわずか50km地点で、「親族とダマスカス政府との調整不足」を理由に引き返し、元の場所に戻されたと、キャンプ関係者のラシッド・オマル氏はAFPに語った。

家族の代表者らは現在、シリア当局と問題解決に向けて協議しているという。また、この移動は「中止ではなく、一定期間の延期」であるとされている。

女性とその子どもたちにオーストラリアのパスポートが与えられたとの報道について、アルバニージー政権はこれを否定し、政府はキャンプからの移動に一切関与していないと強調した。17日朝のABCの番組でこの問題に言及した首相は、政府の立場は変わっていないと明言した。

「我々は彼らを送還しない。政府には責任があるとして非政府組織の一つが訴訟を起こしたが、認められなかった」とアルバニージー首相は述べ、2023年にセーブ・ザ・チルドレン・オーストラリアが起こした法的措置が失敗に終わったことに言及した。「私の母なら『自分で招いた結果は自分で受け止めなさい』と言っただろう。彼らはイスラム国を支持して海外に行き、いわばカリフ制を望む人々を支援するためにそこへ行ったのだ」首相は、キャンプで人生の大半を過ごしてきた子どもたちについては「不幸なことだ」と認めつつも、「政府としては支援や送還は行わないという非常に明確な立場を取っている」と述べた。

野党党首のアンガス・テイラー氏はラジオ2GBの番組で、「世界の別の地域の憎悪や暴力を持ち込もうとする人々に対しては、オーストラリアは門戸を閉ざすべきだ」と述べた。司会者が「しかし、彼女たちはそのような憎悪や暴力から逃れたいと主張するのでは」と指摘すると、テイラー氏は「“イスラムの花嫁”であるなら、明らかにISを支持していたということだ。だからこそ彼女たちはそこへ行ったのだ」と応じた。

連邦政府の報道官は16日夜、仮にこの一団がオーストラリアに戻る場合には法の全面的な適用を受けることになると述べた。声明では「我々の安全保障機関は、オーストラリアへの帰国を求める可能性のある自国民に備えるため、シリアの状況を監視しており、引き続き監視を続けている」とした。「この集団に属する人々は、もし犯罪を犯しており帰国した場合、法の全面的な適用を受けることになると理解すべきだ。オーストラリア国民の安全と国益の保護が最優先である」

一方、セーブ・ザ・チルドレン・オーストラリアのマット・ティンクラーCEOは、同団体が家族の帰国支援に関与しているとの主張を否定した。「セーブ・ザ・チルドレンは送還の資金提供も実施もしておらず、今後そのような役割を担う意図もない」と述べた。

「シリア北東部のキャンプからオーストラリア人を移送するいかなる作業にも関与していない。これらの報道が事実であれば、連邦政府が送還措置を取らない場合、オーストラリア国民の管理されない帰還がいずれ起こり得ると、国家安全保障の専門家が繰り返し指摘してきたことを裏付けるものだ」ただし同氏は、「オーストラリア国民が安全で現実的な帰国手段を持たないまま放置されるべきではない」とも付け加えた。「罪のない子どもたちはすでに幼少期の年月を失っており、安全な家庭環境のもとで人生を立て直し、オーストラリアの社会に再統合する機会が与えられるべきだ」と述べた。

これらの家族は、2019年3月にシリアでイスラム国のカリフ制が崩壊して以降、収容キャンプで生活している。同キャンプには約710家族、計2201人(約50の国籍)が収容されているとロジ・キャンプの責任者イブラヒム氏は説明している。収容されている女性の多くは、拘束または死亡したISIS構成員のパートナーであったとみられている。これまでにも数名のオーストラリア人が帰国しており、2019年には当時のスコット・モリソン首相の下で8人の孤児と新生児1人が帰国した。さらに2022年には、アルバニージー政権により子ども13人と女性4人がオーストラリアへ空輸された。

しかし政府は一貫して、残る最後のグループを送還する計画はないと述べている。

ソース:news.com.au – ‘You make your bed, you lie in it’: PM’s message to Australian ISIS families turned back from Syria camp

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