【NSW25日】 オーストラリアで最も人口の多い州であるNSW州は、先住民との条約締結に向けて「まだ準備ができていない」と、同州の先住民担当相が警告した。
NSW州は、VIC州で進む画期的な立法改革を検証する中、先住民との条約について「準備が整っていない」としている。2024年後半に委員が任命されたNSW州条約委員会は現在、州内各地のアボリジナル・コミュニティから意見聴取を行っている。
25日の予算審議公聴会に出席したデービッド・ハリス先住民担当相は、委員会は将来的な条約の具体像を検討しているのではなく、そもそも条約を締結すべきかどうかを調査している段階だと説明した。クリス・ミンズ州首相が今任期中の条約締結を否定していることを踏まえ、ハリス氏は今後の対応は状況を見て判断すると述べた。ハリス氏によれば、委員会はこれまでのところ、条約に関する理解度が低いこと、特に都市部のコミュニティにおいて「誰と条約交渉を行うのか」という点が課題であることを確認しているという。
委員会は年央までに最終報告を提出する予定だ。もし条約創設を推奨する結論が示された場合、州政府はその判断を閣議および市民との協議に付すことになるとハリス氏は述べた。
これは、VIC州の労働党政権が昨年、オーストラリア初となる「州全体条約法(Statewide Treaty Act 2025)」を可決したことを受けた動きでもある。この改革により、先住民の恒久的代表機関「ゲルン・ウォール(Gellung Warl)」が設立されるなどの措置が講じられた。ハリス氏は、NSW州政府もこのプロセスを分析しているとしつつ、言語の州憲法への明記、土地権利、補償制度などにおいてNSW州は「むしろ先行している」と述べた。
ボイス(先住民の国会への声)をめぐる国民投票の前後に、各州・準州は条約の可能性を検討することを約束していた。しかしその後、QLD州、TAS州、NT準州は条約構想を断念し、別のプロセスを採用している。WA州は代わりにネイティブタイトル(先住民土地権)和解を進めている。SA州では、先住民ボイスを議会に設置する法律が成立している。
ソース:news.com.au – NSW ‘not ready’ for First Nations’ treaty, Aboriginal Affairs Minister says