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気候の“ムチ打ち現象”で極端気象が新時代へ

【ACT17日】   オーストラリアでは今夏、気候の「ムチ打ち(whiplash)」とも呼ばれる急激な気象変化が相次ぎ、同じ地域が壊滅的な山火事に見舞われた直後、数週間後には記録的な洪水に襲われる事態が発生した。

報告書を公表した気候カウンシルは、この夏の特徴的な現象として、極端な天候が次々と入れ替わる「気候のムチ打ち現象」を指摘している。その象徴的な例として、グレート・オーシャン・ロードでは、壊滅的な火災警報と猛烈な猛暑の後、突発的な洪水が発生し、車が海へ流される事態が起きた。

同団体の気象学者であるアンドリュー・ワトキンス氏は、「今や気候変動がオーストラリアの気温を完全に左右している」と指摘する。2025年は年の始めと終わりにラニーニャ現象が発生しており、本来はオーストラリアの気温を下げる傾向がある。それにもかかわらず、同年はオーストラリアで観測史上4番目、世界では3番目に暑い年となった。これは「気候の基準そのものが変化している」ことを示しているという。

気温のベースラインが高くなると蒸発量が増え、大気中の水分量が増える。その結果、嵐が発生した際にはより多くの雨を降らせることになる。2026年の最初の5週間だけで、西QLD州の一部の町では年間平均降水量に匹敵する雨が記録された。さらに2月には熱帯低気圧の影響で、オーストラリア大陸のほぼ半分に洪水警報が出された。1月に45度を超える猛暑が1週間続いた内陸部では、そのわずか1か月後に洪水で道路が泥に覆われ、地域が孤立する事態となった。

また、この報告書によると2019年から2024年までの保険会社の平均支払い額は年間45億豪ドルに達し、過去30年間の平均の2倍以上に増加している。

今年1月第2週には乾いた雷によってVIC州で200件以上の山火事が発生。1月27日にはウォルピアップとホープタウンで州の過去最高となる48.9度を記録し、同日には州の3分の1の地域で1月の最高気温記録が更新された。州南西部のワイリバーでは、壊滅的な火災危険警報により住民が避難したが、そのわずか1週間後に記録的豪雨が発生し、洪水で車が海に流される事態となった。

NSW州北西部でも2月の降水量記録が更新され、ティブーブラでは月間273ミリの雨を観測。これは通常の2月平均の10倍にあたる。また同州では1月、プーンカリーとアイヴァンホーで45度以上の気温が6日連続で観測され、記録となった。

さらに2025年12月の熱波では、ゴスフォードとニューカッスル近郊で大規模火災が発生し、住宅約20棟が焼失。59歳の消防士、ジョン・ローハンさんが死亡した。

グレッグ・マリンズNSW州消防コミッショナーは、かつては「一世代に一度」と言われていた山火事が、現在では「10年に一度」の頻度になっていると警告する。「気候の基準が変わり、より大規模で危険な火災が、より早く、より頻繁に発生するようになっている」と同氏は述べた。

強風の影響により、比較的涼しい日でも破壊的な火災が発生する可能性があり、TAS州では19棟の住宅が焼失した。消防隊への負担も急増しており、VIC州では1日で200件の火災対応が必要となった日もあり、結果として住宅451棟とその他1000棟以上の建物が失われた。

マリンズ氏は「地域社会は次々と災害に見舞われ、回復する時間がほとんどない」と指摘する。さらに保険費用の増大も深刻な問題だという。「政府が石炭・石油・ガスによる汚染を支援し続ける限り、これらのコストはさらに膨らむ。クリーンエネルギーへの移行を加速させる必要がある」と同氏は訴えている。

ソース:news.com.au – Australia battered by climate ‘whiplash’ as Climate Council warns of dangerous new era of extreme weather

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