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ブドウ園で「現金手渡し賃金」取り締まり強化 SA

【SA9日】   オーストラリア有数のワイン産地で、大規模な警察主導の取り締まりが行われ、十数か所のブドウ園が調査対象となった。

労働者の権利保護を目的とした今回の取り締まりでは、主要なワイン産地にある複数のブドウ園に対し、当局が立ち入り調査を実施した。違法行為の摘発を目的に、SA州内の18のブドウ園に対して抜き打ち検査が行われた。具体的な名称は公表されていないが、対象となったのは国内有数のワイン産地であるバロッサ・バレー、アデレード・ヒルズ、マクラーレン・ベールに位置するブドウ園だ。

この取り組みは、オーストラリア税務局、フェアワーク・オンブズマン、オーストラリア国境警備隊が連携して実施する「オペレーション・ゼファー」の一環として行われた。作戦の目的は、賃金の未払い、税金や年金(スーパーアニュエーション)に関する義務の不履行、給与明細の未発行など、不公正な労働慣行の排除にある。また、特に移民労働者に対して、現金手渡し(帳簿外)で賃金を支払う違法行為の根絶も狙いとしている。

オーストラリア税務局のトニー・ゴディング副長官は、「帳簿外での支払い、税務義務の無視、不正な人材派遣業者の利用は法律違反であるだけでなく、数千人を雇用するブドウ栽培業界への信頼を損なう」と述べた。さらに、「不自然に安い人件費には必ず理由があり、その多くは違法である。こうした手法は労働者を搾取するだけでなく、業界全体に悪影響を与える」と警鐘を鳴らした。

調査では、以下のような違反行為が重点的に確認されている。

・賃金や割増賃金、スーパーアニュエーションなどの未払い
・税務や登録に関する義務の不履行
・源泉徴収税(PAYGW)の未納
・給与明細の未提供
・活動報告書や所得税申告の未提出
・収入や経費の不正申告
・移民法違反(移民労働者の搾取や不正な移民支援の提供など)

フェアワーク・オンブズマンのアンナ・ブース氏は、「SA州のワイン産地は高品質な製品で知られているが、現場の労働条件も同様に高い水準であるかを確認している」と述べた。また、「ブドウの収穫や梱包、剪定には多くの立場の弱い労働者が従事しており、正当な報酬を支払わないことはビジネスとして許されない」と強調した。

さらに、オーストラリア国境警備隊のジョン・テイラー司令官は、「雇用主は法令を順守するべきであり、弱い立場の労働者の搾取やビザ制度の悪用は容認されない」と述べた。「今回のような取り組みは、オーストラリアが労働搾取やビザ悪用の温床ではないという明確なメッセージを発するものだ」としている。

ソース:news.com.au – Major clampdown on ‘cashies’ at vineyards in South Australia

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