【ACT9日】 致死性のハンタウイルスに曝露したクルーズ船に乗っていたオーストラリア人旅行者が、すでに帰国したと報じられている。
スペイン紙によると、多くの乗客がクルーズ船「MVホンディウス号」に残る中、4月21日に23人が下船して帰国しており、その中にオーストラリア人1人も含まれていたという。乗客の証言では、「オーストラリア人はオーストラリアへ、台湾人は台湾へ、アメリカ人は北米各地へ、イギリス人はイギリスへ、オランダ人は自国へ戻った」とされている。
世界保健機関(WHO)は、このクルーズ船でハンタウイルスの感染拡大が発生したことを確認。これまでに8人の感染が報告され、うち3人が死亡、5人はハンタウイルス感染が確定している。WHOの事務局長であるテドロス・アダノム・ゲブレイェソス氏は、今後さらに感染者が増える可能性があるとしつつも、「深刻な事案ではあるが、公衆衛生上のリスクは低い」と評価した。
また、この感染は「アンデスウイルス」によるもので、人と人との密接かつ長時間の接触によって感染が広がる唯一のタイプであると説明した。ハンタウイルスは主にげっ歯類(ネズミなど)によって媒介され、人はそれらの動物や尿・糞・唾液に接触することで感染し、重篤な症状を引き起こすことがある。
WHOは現在、国際保健規則に基づき各国と連携して対応を進めており、感染者の治療や船内に残る乗客の安全確保を最優先としている。
オランダ外務省によると、MVホンディウス号は10日正午ごろにスペイン・テネリフェ島へ到着予定。ただし、乗客は同国に滞在したり民間航空便で帰国することは認められておらず、各国が自国民の帰還を手配する必要がある。オーストラリア外務貿易省(DFAT)は、現地に領事職員を派遣し、乗船中のオーストラリア人への支援を行うと発表。「4人のオーストラリア人および永住者の安全な帰国方法を検討している」としている。現時点で、オーストラリア人の中に症状を示している者はいないという。
また、オーストラリア疾病対策センターは各州・準州と連携し、隔離措置や健康観察、検査体制について全国的な対応を進めている。ハンタウイルスは重篤な感染症ではあるが、人から人への感染はまれとされている。現在、感染したウイルスの種類を特定するため、検査や疫学調査、遺伝子解析が進められている。
運航会社によると、同船はアフリカ西岸カーボベルデ沖を出発し、カナリア諸島へ向かっていた。4月24日にはセントヘレナ島で30人が下船したが、国籍の一部は不明で、オーストラリア人は含まれていなかった。
ソース:news.com.au – Aussie traveller reportedly returns home after hantavirus ship horror