【NSW10日】 NSW州で性別選択による中絶を禁止する法案を巡り、ナショナルズの議員がキャンペーン主催者から「標的にされた」として、「政治的に悪意がある」と非難した。
問題となっているのは、リバタリアンのジョン・ラディック上院議員が提出した「中絶法改正(性別選択禁止)法案2025」。年内にも良心投票で審議される見込みだ。
ナショナルズのウェス・ファング上院議員は、この法案を支持する運動を主導するジョアンナ・ハウ氏が、上院のナショナルズ議員4人を不当に標的にしていると主張。「彼女は我々が意向に沿わなければ、次の選挙で下院議員も標的にすると公言している。それは容認できず、誤解を招く」と述べた。
さらに、上院全体の約10%に過ぎないナショナルズの4人が、法案の可決を左右するかのように描くのは「政治的に悪意がある」と批判した。
ファング氏は、ニューイングランド選出のバーナビー・ジョイス議員が集会に参加したことを受け、ハウ氏が「ワン・ネーションに便乗している」とも指摘。一方、ワン・ネーションは公式に「プロライフ」の立場を掲げ、中絶規制の強化を訴えている。
ただ、ナショナルズは2019年、労働党やグリーンズとともに中絶の非犯罪化に賛成しており、党内でも立場は一枚岩ではない。
これに対しハウ氏は、特定政党との連携を否定し、「中絶廃止を目指す政治家とは誰とでも協力する」と説明。ナショナルズに焦点を当てる理由として、「上院で可決するために必要な4票だから」としたほか、「保守政党として有権者への説明責任がある」と主張した。
また、自ら依頼した調査で、ナショナルズの選挙区では3分の2以上が性別選択中絶の禁止を支持していると強調した。
ファング氏は、法案について「性別選択中絶は望ましくない」としつつも、家庭の事情で特定の性別を望むケースもあると説明。そのうえで、この議論は「特定の宗教や民族を標的にしている」とし、「移民や宗教の違いに関するドッグホイッスルだ」と批判した。さらに、「これは中絶規制を進めるための“トロイの木馬”だ」として、慎重な検討が必要だと訴えた。
一方でNSW州政府は、性別選択中絶が実際に行われている証拠はないとの立場を示している。クリス・ミンズ州首相は「詳細な出生データからも、そのような事実は確認されていない」と述べ、仮に法案が下院に提出されても支持しない考えを示した。ライアン・パーク保健相も「性別選択が行われている証拠はない」と明言している。
性別選択中絶を巡る議論は、倫理・宗教・移民問題など複雑な論点を含み、NSW州政における大きな争点となっている。
ソース:news.com.au – Nationals MPs ‘targeted’ over NSW sex-selection abortion ban, MP claims