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サダム・フセイン裁判始まる、アラブ社会に賛否両論

カイロ - 19日、元イラク大統領サダム・フセインのイラク国民への罪を問う裁判が始まった。アラブ社会では、真剣にニュースに見入る人もいる反面、少しも気にかけていない様子の人もいる。逮捕から2年経った今でも、サダム・フセインがアラブ社会を二分割する影響力を持っていることが伺われる。
 
アラブの主要な衛星テレビ局、アル-ヤゼラとアル-アラビヤはノンストップの裁判の中継をしており、幾つかのアラブの新聞は一面に裁判開始の記事を載せた。しかし、その一方、サウジアラビアのアラビア語新聞アル-ワタンは“サダム裁判、皆無関心”と見出しを付けた。
 
フセインが1990年に侵略したクウェートでは、裁判を支持する声が高まっている。「この裁判の開始を長い間待っていた。我々だけではなく、イラク国民そしてイラン国民も同じはずだ。これが圧制者の終わりだ。」と43歳のクウェート人建築家アル-ムラッドは述べた。
 
また、多くのパレスチナ人も今回の裁判に大きな注目を寄せているが、先のクウェート人とは反対の見解を持っている。ガザ地区で八百屋を経営する42歳のパレスチナ人は「サダムは殉職者の家族を援助し、また多くのパレスチナの学生を助けてくれた。サダムはアメリカとブッシュ(米大統領)に対し“No”と言い続けた英雄であったことの代償を払わされているんだ。もし世界が公正を求めるのならば、サダムの前にブッシュとシャロン(イスラエル首相)を裁判にかけるべきだ。」と述べた。32歳のパレスチナ人のタクシー運転手は、もっと両立した意見を持つが、裁判に関しては否定的で、「私はサダム支援者ではないが、この裁判に関しては反対派だ。何故なら、この裁判はアメリカの要求で行われているからだ。サダムが殺人者と呼ばれるなら、アメリカがイラクでやっていることは何だっていうんだ?」と述べた。
 
ドバイの新聞Gulf Newsは社説の中で、サダムのみならず、イラクそのものが裁判にかかっていると述べた。イラクの新政府が手腕をふるってサダムに公平な審議をすることができるかが問われている。
 

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