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ダウナー外務相、父親を例に挙げ日本との安全保障条約締結支持を呼びかける

キャンベラ13日-Alexander Downer(アレキサンダー・ダウナー)外務相は、第2次世界大戦中の日本軍による残虐行為に対する怨念が国民の一部に根強く残っているのは事実だが、国民は日本との安全保障条約締結を支持すべきだと呼びかけた。

ダウナー外相は、マッコーリーラジオ局とのインタビューで、日本との安全保障条約締結に反対するオーストラリア国民に対し、戦争捕虜として日本軍に3年半の間Changi(チャンギー)に収容された自分の父親の例に続いて欲しいと語った。ダウナー外相の父親、Sir Alec Downer(サー・アレック・ダウナー)は、戦後、大臣として任務する中で日本と関る際、戦争捕虜としての辛い経験を公務に影響させることはなかったという。

ダウナー外相は、「父は、日本は父を酷い目に遭わせ、同僚の兵士は日本軍に殺されたと思っていたが、世界は未来へ向かって動いていると信じ、結局オーストラリアも日本も未来へ向かってともに歩んでいかなければならないと考えた」と語った。そして、全てのオーストラリア国民が父の考えに賛同するとは思わないし、日本との安全保障条約締結を忌み嫌う国民がいるのも認識していると述べた。

 
日本の若者への日本の第2次世界大戦での役割に関する教育に対しては、「我々が希望するほどしっかり教えられていない」と述べ、「日本人はドイツ人が感じているほどの罪の意識をまだ持っていない」と遺憾を表明した。

またダウナー外相は、日本との安全保障条約締結は、オーストラリアと周辺地域に大きな恩恵を与え、特に災害援助と人道的活動への大きな助けとなるだろうと条約締結の利点を訴えた。

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