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オベイド元大臣、不正行為を一切否定

【シドニー5日AAP】   NSW州労働党の元権力者で、現在、炭田開発に関するインサイダー取引疑惑の渦中にあるエディ・オベイド氏に対して、汚職対策独立委員会(ICAC)は4日から2日間の審問会で、疑惑に関する質問を行った。同氏は「知らない」の一点張りで、途中、ICACの弁護士に対して「私はあなたが一生かかっても稼ぐことができない額の金を使ってきた」などと発言し、終始傲慢(ごうまん)な態度を保持した。

審問会の焦点は、汚職疑惑により辞任を余儀なくされたイアン・マクドナルド元NSW州大臣とオベイド氏が将来性の高い炭田開発に関して、2008年にインサイダー取引をしたことでオベイド氏とその家族が多大な利益を得たのかということ。モーゼス・オベイド氏は、マクドナルド氏による意思表示によって少なくとも7500万ドルの利益を得たことを認めている。

審問会の中でオベイド氏は、マクドナルド氏がオベイド氏所有のスキーロッジに宿泊し、オベイド氏の息子がその食事代などを支払ったことを認めたが、「自分たちは寛大だから、これらはあくまで友人をもてなしただけのこと」とし、イエマ元NSW首相などにも同様の計らいをしたことがあるとし、賄賂性がないことを主張した。

ICACの委員が巨額の財産の出所を聞いた際、オベイド氏は、政界に入る1990年以前、息子達に事業譲渡をした際にかなりの利益を得たことを認めた。一方で、現在、自身出資のファミリーファンドに230万ドルもの借金があることに関する書類を見せられた際に「初めて見た」とうそぶき、返済方法など一切考えていないと明言した。

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