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妊婦の大気汚染被害「赤ちゃんの体重に影響」研究から

【ACT9日】   環境汚染に晒された妊婦は、自然豊かな環境に住む妊婦に比べて体重の小さな赤ちゃんを出産していることが新たな研究で明らかになった。

ニューヨーク・ポスト紙によると、北欧で実施された同研究結果は、健全な環境は環境汚染が妊娠に及ぼす悪影響に役立つ可能性があること示唆している。ノルウェーのベルゲン大学の研究者であるロビン・シンサマラ氏は「研究結果から比較的低レベルであっても大気汚染に晒された妊婦は、低体重な赤ちゃんを出産している傾向がある」と述べた。

この調査結果は、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、アイスランド、エストニアに住む4000人以上の子供とその母親を調査した「北欧における呼吸器の健康」データに基づいている。

研究者らは、妊娠中の女性が住んでいた場所の “緑度 “を、森林、農地、公園などの衛星画像上の植生密度を測定することによって算出し、二酸化窒素(NO2)、オゾン、ブラックカーボン、2種類の粒子状物質(PM2.5とPM10)の5つの汚染物質に関するデータを収集し、赤ちゃんの出生体重と比較した。また、女性の年齢、母親の喫煙や健康状態の有無などの要因も考慮されている。

その結果、PM2.5、PM10、NO2、BCは、それぞれ平均55.84グラム、45.92グラム、47.91グラムの減少と相関していた。これらの地域は大気汚染レベルが高かったが、大気汚染の平均レベルは欧州連合の基準内だったという。

一方で、自然豊かな地域に住む妊婦は、大気汚染のある地域に住む女性に比べ、出生時の体重が平均26.93グラムとわずかだが重かったとしている。同氏は、「自然豊かな地域は交通量が少ない傾向にあるか、植物が大気汚染の除去に役立っているか、こういう地域は妊婦が体を動かしやすい環境だという可能性が高い」と説明した。

また、「赤ちゃんが子宮内で成長している時期は、肺の発達にとって非常に重要である」とし「出生時体重の少ない赤ちゃんは胸部の感染症にかかりやすく、これが後に喘息やCOPDなどの問題につながる」と述べ、「妊婦が赤ちゃんを潜在的な害から守りたいと思っていても個人レベルで大気汚染にさらされる機会を減らしたり、近隣の環境をより緑豊かなものにしたりすることは困難」とし、環境汚染レベルを下げることに重点を置くように、政府レベルで圧力をかけるように呼びかけている。

 

ソース:news.com.au – Pregnant women exposed to air pollution have ‘smaller babies’, study finds

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