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中層階級の破滅に準備を 専門家が警鐘

【QLD13日】  オーストラリアは成功のチャンスをつかめる国、平等の国として知られてきたが、これは今や過去の話となり、今後は裕福な両親を持っていなければそのような成功を手に入れることは不可能だと、エコノミストらが警鐘を鳴らしている。

マクロビジネスの共同創立者でMBファンドやMBスーパーのチーフエコノミストであるリース・ヴァン・オンセレン氏は、最大の問題は明らかに住宅市場だとし、現在の金融危機が国に取り返しのつかないダメージを与えることになると指摘している。

同氏は特に、中層階級へのダメージが深刻で解決の糸口が見えないとし、親の資産がないと住宅が購入できないという状況まで達していると危機感を示した。また、「これにより何世代にもわたる資産の必要性を社会に根付かせ、衝撃的ともいえる不平等を定着させてしまうことになる」と述べ、努力を惜しまない人々がチャンスをつかめた時代は目の前から消えつつあるとの見解を示した。

さらに、セント・ビンセント・ド・ポールソサエティなどの社会サービス団体は、フルタイムの仕事を持つことが経済的な困窮や貧困から身を守る盾にはならないという、かつては想像もできなかった状況に陥っていると指摘する。

セント・ヴィンセントによると、昨年、困窮する人からの支援要請の数は40%急増したが、これらの多くは「生活の質が保証されている」と考えられている層に属している人たちだったという。同団体のNSW州支部広報担当者は、安定した職に就いている人からの需要が増加していることについて、「非常に憂慮すべきことだ」と話した。

 

ソース:news.com.au-Australia should prepare for the death of the middle class, experts warn

 

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