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ケミストウェアハウスの合併 競争委が懸念

【ACT13日】  オーストラリア競争消費者委員会(ACCC)はASX上場のシグマ・ヘルスケアと全国に約600店舗を展開する薬局小売最大手ケミスト・ウェアハウス・グループによる88億ドル規模の合併案について、「懸念」を表明した。

ACCCのコミッショナーのリッジウェイ氏は、「これは薬局業界にとって大きな構造変化であり、売上高で最大の薬局チェーンが数千の独立系薬局に薬を卸す業者と合併することになる」とし、「小売を含む様々な分野で競争に懸念が残ることを確認した」と述べた。また、検討を続けるにあたりライバル薬局を含む関係者の意見を聞きたい考えを示した。ACCCは利害関係者から合併に関する意見書を今月27日まで受け付ける。

シグマは現在、時価総額が20億ドルとなっている。ACCCによると合併によりシグマはケミスト・ウェアハウスの全株式を取得し、シグマの株式7億ドルの現金を対価とする。合併が完了するとケミスト・ウェアハウスの株主は合併会社の87.75%を保有し、シグマの株主は14.25%を保有することになる。

ACCCは「ビジネスモデルの是非よりも、買収が競争に与える影響だけを注目している」とし、「重要な問題は、提案されている買収が医薬品の供給における競争を弱めるかどうかだ」と述べた。ACCCは提案されている買収が現在シグマが供給している薬局に損害を与え、薬局小売業における競争の実質的な弱体化につながることを懸念している。

一方、シグマはASXに提出した声明の中でACCCによる声明は「予想外」ではなかったと述べた。さらに、合併が競争を減退させない十分な論拠があると考えているとし、ACCCと連絡を取り合っていく姿勢を示した。

 

ソース:news.com.au-ACCC flags ‘concerns’ with proposed Sigma Healthcare takeover of Chemist Warehouse

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