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「抜け道だらけ」の現金受け入れ義務法案

【ACT21日】   現金推進派のオーストラリア人は、政府が提案した現金受け入れ義務の新ルールについて「ゴミだ」と非難し、「キャッシュレス社会へのお墨付きになる」と警告している。

政府が長らく準備していた「現金受け入れ義務(cash mandate)」法案の草案がついに公表されたが、ある現金擁護者は、この法案が「キャッシュレス社会を後押しすることになる」と警鐘を鳴らしている。ジム・チャルマーズ財務相は、現金支払いを保護する法案を導入すると約束していたが、17日に公開された草案では、企業が多数の例外を適用できることが明らかになった。

まず、この義務は年間売上高が1,000万豪ドル未満のすべての小規模事業者を対象外としている。さらに、義務が適用されるのは大手の燃料販売業者と食料品小売業者のみだ。金融サービス担当大臣のダニエル・ムリーノ氏は、この義務と例外は「現金利用者を支援しつつ、事業者の実情にも配慮した、バランスの取れた実践的で賢明な措置」だと説明した。

しかし、現金擁護運動の「Cash Welcome」を主導するジェイソン・ブライス氏は、ラジオ局2GBのベン・フォーダム氏の番組で、この提案を「ゴミ」と一蹴した。ブライス氏は、この法案の名称とは裏腹に「実際には真逆の内容だ」と批判する。「抜け道だらけで、笑ってしまうほどだ。これは実質的に“どの店も現金を拒否できる”ということを意味している」と彼は語った。

大手スーパーマーケットやガソリンスタンドにも保護条項が設けられており、現金対応の範囲は限定されている。現金での支払いは最大500豪ドルまでとされ、それ以上の取引については現金拒否が可能だ。さらに、スーパーマーケットのレジなど現金支払いができる場所についても、消費者の現金支払い需要に比例した数でいいため、最低でも1か所あれば良いとされている。また、大手企業は、現金受け入れ義務への対応コストが「事業継続に重大なリスクをもたらす」と認められた場合、免除を受けることもできる。

この法案の草案は現在、一般からの意見公募に付されている。承認されれば、新ルールは来年1月に施行される見込みだ。

ソース:news.com.au – ‘Loopholes’: Cash advocates slam federal government’s proposed cash mandate legislation

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