【ACT27日】 オーストラリア政府は医薬品給付制度(PBS)の拡充を発表し、既存の避妊具「ヌーバリング(NuvaRing)」が補助対象に加わることとなった。これにより、多くの女性が避妊費用を大幅に節約できる見込みだ。
ヌーバリングは、腟内に挿入して使用するリング型の避妊具で、エストロゲンとプロゲステロンを放出し、排卵を抑制する仕組み。避妊ピルと同様の効果を持ち、自己管理で使用でき、1か月ごとの交換が必要だが、正しく使用すれば避妊効果は99%とされている。
現在、薬局でヌーバリング(3個入り)を購入すると約130豪ドルかかる。11月1日からは、処方箋1枚あたり31.60豪ドル(コンセッションカード保持者は7.70豪ドル)で入手可能となる。さらに来年1月1日からは、処方箋あたりの自己負担上限が25豪ドルに引き下げられる予定だ。
また、子宮内避妊具(IUD)などの長期的避妊法へのアクセスも改善される。11月1日から、GPが長期避妊処置を提供する際のバルクビリング(無料診療)報酬が40%増額され、より多くの診療所が提供しやすくなる。また、IUDの挿入・除去に関する無料トレーニングも先月から医療従事者向けに開始されており、提供できる医師の数を増やす狙いがある。
政府によると、これらの制度変更により約30万人の女性が恩恵を受け、自己負担額が最大400豪ドル削減される見込みだ。
今回のヌーバリングのPBS追加は、今年初めに発表された5億7300万豪ドル規模の女性の健康支援パッケージの一環であり、PBSの対象拡大がその柱の一つとなっている。今年3月には、ドロスピレノンとエチニルエストラジオールを含む避妊ピル「ヤーズ(Yaz)」と「ヤスミン(Yasmin)」がPBSに追加されている。また、更年期治療薬「エストロゲル(Estrogel)」「プロメトリウム(Prometrium)」「エストロゲル・プロ(Estrogel Pro)」の3製品も同時にPBSに登録された。
ソース:news.com.au – Contraceptive NuvaRing added to Pharmaceutical Benefits Scheme