【ACT13日】 アンソニー・アルバニージー首相は、自由党内で続く「ネットゼロ(温室効果ガス排出実質ゼロ)」を巡る対立を「道化劇(clownshow)」と非難し、野党が気候変動の科学を否定していると批判した。
12日、自由党の議員・上院議員らが一堂に会し、6年前にスコット・モリソン政権下で導入された排出目標について意見を交わす長時間の会合を実施。野党の歴史的敗北を受け、スーザン・リー副党首が政策の見直しを進めてきたが、党内では意見が真っ二つに割れている。
13日、シドニーで記者会見したアルバニージー首相は「自由党は気候変動の科学を根本的に信じていないため、ネットゼロから後退しようとしている」と述べ、「オーストラリア国民は、気候政策とエネルギー政策をめぐる野党内紛の代償を払い続ける余裕はない」と強調した。また、「自由党はもはや“まとまりのない集団”に成り下がっている」と述べ、党内の混乱が国民にも明白だと批判した。
一方、党内会合に参加した自由党のメリッサ・マッキントッシュ下院議員は、自身が公に「ネットゼロ撤回」を支持していることを明言し、「正式決定ではないが、最終的な政策がその方向になることを望んでいる」と述べた。最終判断はエネルギー担当のダン・ティーハン議員とリー副党首に委ねられる見通しだという。
また、党内ではパリ協定に関しては「強い支持」が示され、脱退を求める声はなかったと説明。「ネットゼロに反対した議員であっても、排出削減の必要性自体は否定していない」と強調した。マッキントッシュ議員はさらに、「気候変動を否定しているとの批判を受ける覚悟はある」としつつも、「我々は環境や気候政策を軽視しているわけではない。ただ、現在のアルバニージー政権のような“速すぎる削減”では、生活に苦しむ国民の現状に対応できない」と述べた。
自由党の最終的な気候・エネルギー政策案は、同日午後にも公表される見込みで、石炭やガスの活用が引き続き含まれる可能性が高いとみられている。
ソース:news.com.au – ‘Backwards’: Anthony Albanese slams Liberal Party’s net zero showdown