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ACCC、セブンウェストとサザンクロスの合併を承認

【ACT13日】   オーストラリアのメディア業界を再編する可能性のあるセブンウェストメディアとサザンクロスメディアの合併計画について、重要な進展があった。

オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は、両社の合併案を承認し、ASX上場の2大メディア企業が新たに4億豪ドル規模の企業を設立する道が開かれた。ACCCは13日に公表した承認理由の中で、両社は異なるメディア市場で競合しており、合併によって地方における企業や広告代理店の広告手法が損なわれることはないと述べた。

さらに、合併後の新会社が消費者向けのメディアコンテンツ供給市場における競争を弱めることもないと判断した。ACCCのミック・キーオー副委員長は次のように述べた。「サザンクロスとセブンはコンテンツにおいて近い競合関係ではない。サザンクロスが主にラジオや音声エンターテインメントに注力する一方で、セブンは印刷ニュースとテレビ放送を中心に展開している」

また、調査では消費者がデジタルメディアへ移行する中、新会社は依然として「強い競争にさらされる」と結論づけられた。「デジタルメディアへの嗜好が高まることで、広告主はオンラインやデジタルチャネルへの投資を増やしている。ラジオ、地上波テレビ、新聞といった従来型メディアの所有者は今後も強い競争に直面し続けるだろう。合併後のサザンクロスも例外ではない」

この承認は、9月末に両社が発表した合併計画における重要な一歩となる。取引が成立すれば、地上波テレビ、音声メディア、デジタル出版を統合した巨大企業が誕生し、オーストラリアのメディア環境に大きな変化をもたらす。

セブンウェストの主力テレビチャンネルは「My Kitchen Rules」や「Home and Away」など人気番組を抱え、AFLとクリケットの放映権も保有している。出版・デジタル資産には、パースの新聞『The West Australian』や全国向け無料ニュースサービス『The Nightly』が含まれる。一方、サザンクロスは、Hit Network、Triple M、Listnrアプリなどを所有する。

両社の取締役会は合併を支持しており、今後は株主による承認が必要となる。両社は合併による「戦略的・財務的メリット」として、ニュース・スポーツ・エンタメを組み合わせた一貫したコンテンツ戦略の実現や、データ活用による成長加速を挙げている。

ソース:news.com.au – ACCC approves merger between Seven West and Southern Cross Media

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