【ACT14日】 ジム・チャルマーズ財務相は、コールズとウールワースが新たな規制に違反した場合、数百万豪ドル規模の罰金を科される可能性があると発表した。
オーストラリアの小売業界団体の代表機関は、生活費高騰が続く中で導入される労働党の「過度な価格設定」を禁止する新法について、食料品価格を押し上げかねないとして強く反発した。
チャルマーズ財務相は14日、不公正な食料品価格設定が新法の下で違法となり、違反したスーパー大手は最大1,000万豪ドルの罰金に直面すると発表した。コールズやウールワースのような大規模小売業者は、仕入れコストに合理的な利益を上乗せした水準と比べて「過度」と判断される価格を設定することが禁止される。
この法律は食品・食料品規範の改正の一環で、オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)が執行を担う。施行は2026年7月1日。違反1件あたりの罰則は、1,000万豪ドル、得られた利益の3倍、もしくは利益額を算定できない場合は直近12か月の売上高の10%のいずれかとなる。
オーストラリア小売業協会(ARA)のクリス・ロドウェル最高経営責任者は、この措置を「主観的だ」と批判し、食料品業界全体で「法的リスク、コンプライアンスコスト、不確実性」が高まると主張した。「食料品価格は主に、エネルギー、輸送、賃金、保険、仕入れコストといった投入コストによって決まる。100ドル分の買い物かごのうち、スーパーの利益はわずか3ドルだ。牛乳や生鮮食品などの必需品は、さらに低い利益率で運営されていることも多い。個々の商品ごとに収益性を規制することは、特に低所得世帯や地方の地域社会にとって、必需品をより高価にするリスクがある。価格を下げる最善の方法は、規制や税制の負担を軽減することだ」とロドウェル氏は述べた。
ウールワースは声明で、新法を「前例のないもの」と表現し、「不公平な競争環境を生む」と主張した。ウールワース・グループの広報担当者は「ウールワースの食品小売部門の平均価格は、7四半期連続で前年同期比で下落しており、顧客により安い価格を提供している。これには、800以上の商品を対象とする『ローワー・シェルフ・プライス』の取り組みが含まれており、2023年8月以降、平均12.6%の節約を実現している。この法律は、オーストラリア資本の2社だけを対象としており、より規模の大きい外資系小売業者が新たな制約なしに自由に価格設定できるため、不公平な競争環境を生み出す」と述べた。
コールズも声明で、新ルールは価格を「引き下げるのではなく、押し上げる」圧力になると主張した。広報担当者は「お客様がコールズで100ドルを使うごとに、当社の利益は約2.43ドル、つまり1ドルあたり3セント未満だ。政府には、オーストラリアの家庭にとって食料品価格が上昇する本当の要因に取り組むことを求める。規制強化は、価格を下げるどころか、押し上げる可能性がある。生活費負担の緩和が重視されるべき時に、これらの規制は逆効果になりかねない」と述べた。
チャルマーズ財務相は価格つり上げへの取り締まりを擁護し、労働党の主要な選挙公約の一つであり、生活費高騰の中で食料を買うのに苦しむ人々を支援するものだと述べた。「人々が厳しい状況に置かれていることは分かっている。スーパーが顧客に対して価格つり上げを行わないようにする――それがこの重要な改革の目的だ」
今年初め、コールズとウールワースは、パンデミック中の価格つり上げ疑惑を受けて行われたACCCの調査で、世界でも最も収益性の高いスーパーの一つであることが明らかになった。消費者監視機関は、両社が国内食料品販売の約3分の2を占めていると指摘したが、コールズやウールワースを含むスーパーによる価格つり上げの決定的な証拠は見つからなかった。2024〜25年度決算では、両社はそれぞれ10億8,000万豪ドル、14億豪ドルの利益を計上している。
ソース:news.com.au – New price-gouging laws to hit Coles, Woolies from July 2026, Treasurer Jim Chalmers announces