【ACT16日】 新たな統計により、オーストラリアの雇用環境が大きく変化している実態が明らかとなり、求職者にとって近年で最も厳しいクリスマス前の就職活動となっている。
クリスマスを前に、オーストラリアの雇用市場は依然として「非常に競争が激しい」状況が続いており、次の仕事を探す労働者への圧力が強まっている。求人サイトSeekの最新データによると、11月も求人広告数は減少し、年後半にかけて需要が鈍化している傾向が続いている。
同社によれば、11月の求人広告数は前月比でさらに0.5%減少し、前年同月比では1.9%の減少となった。この減少は広範囲に及び、南オーストラリア州を除くすべての州で月次ベースの減少が記録された。
VIC州は減少幅が最も大きく、11月の求人広告数はさらに1.4%減少した。同州ではこれで3年連続の減少となる。一方、NSW州では1%減、ACTは1.3%減、TAS州では11月に1.5%の大幅減となった。
Seekのシニアエコノミスト、ブレア・チャップマン氏は、求人広告を出す企業は減っている一方で、1人あたりの応募件数は増加していると述べた。「1件の求人広告あたりの応募数は、年半ば以降安定しているものの依然として高水準にあり、クリスマス休暇を前に求人広告が減少する中で、市場は引き続き非常に競争が激しい状況だ」と同氏は語った。チャップマン氏は、年初の好調なスタートから雇用市場は減速していると指摘する。「今年は前半と後半で明暗が分かれました。最初の6か月間は、長期にわたる減少の後に小さいながらも重要な成長が見られたが、8月以降は月ごとに徐々な減少が続いている」
求職者にとって厳しい状況が続く一方で、Seekのデータでは、提示される給与は引き続き上昇しており、11月は0.4%上昇し、昨年7月以来の最大の伸びを記録した。「全体の雇用成長は鈍化しているものの、雇用創出の主軸が公共部門から民間部門へ移っていることが、賃金上昇の加速を説明している可能性がある」とチャップマン氏は述べた。
民間企業は個別契約を用いるケースが多く、公共部門よりも高い給与を提示できる柔軟性がある。ただし、オーストラリア公共サービス委員会の労使協定では、2025年に年3.8%の賃上げが定められており、現在見られる求人給与の年間上昇率と一致している。
オーストラリア統計局(ABS)の11月のデータによると、就業者数は2万1000人減少した。失業率は4.3%で横ばいだった。減少の大きな要因はフルタイム雇用の大幅な減少で、5万7000人がフルタイムの仕事を離れた。このうち男性が4万人を占め、女性は1万6000人がフルタイム雇用から離脱した。一方で、パートタイム雇用は3万5000人増加し、フルタイム雇用の減少を一部相殺した。パートタイムで働く女性は2万9000人増加し、男性は6000人増加した。
ソース:news.com.au – ‘Very competitive’: Grim reality for Aussie jobseekers as vacancies slump, advertisements fall for fourth month in a row