【ACT8日】 一連の好条件が重なり、オーストラリアから米国への食肉輸出は大きく伸びたが、この急増した貿易は近く終わりを迎えるのではないかとの懸念が高まっている。
オーストラリアの牛肉輸出業者は、業界が記録的な輸出実績を達成してからわずか数カ月後、中国が55%の関税を課したことで、状況が一変する可能性に直面している。
オーストラリア統計局(ABS)が新たに発表したデータによると、2025年10月から11月にかけて、肉類および食肉加工品の輸出は12.4%増加した。11月だけで、オーストラリアは総額25億3700万豪ドル相当の食肉を輸出しており、前月比で2億8000万豪ドルの増加となった。
コモンウェルス銀行の農業エコノミスト、デニス・ヴォズネセンスキー氏はNewsWireに対し、オーストラリアの食肉生産者、特に牛肉業界は、米国と中国にとって実質的に唯一の供給先となったことで恩恵を受けたと説明した。米国は主にハンバーガー用の「挽き肉」を購入しており、国内生産者に加え、メキシコ、カナダ、ブラジル、オーストラリアから調達している。
「米国では牛の飼育頭数が数十年ぶりの低水準にあり、国内調達能力が限られていた。また、他国からの調達も制約を受けていた。例えば、米国は“ニューエイジド・スクリューワーム”と呼ばれる肉を食害する寄生虫の影響で、メキシコからの生体牛の輸入を停止した」と同氏は語った。
通常であれば、年間約150万頭の牛がメキシコから米国へ輸出されている。同時期に、ブラジル産牛肉にはドナルド・トランプ米大統領によって50%の関税が課され、これもオーストラリアの輸出業者に追い風となった。
「ブラジルは大規模な輸出国だが、8月までに輸出が禁止され、米国は他国からの輸入を余儀なくされ、その結果、価格が押し上げられた」と同氏は説明した。また、米国とカナダの間でも2025年半ばにかけて関税の導入と撤廃が繰り返された。
さらに、中国は米中関係の緊張を背景に、米国産牛肉の調達を停止し、オーストラリア産牛肉の輸入を増やした。「米国の牛肉加工施設の輸出ライセンスが失効し、中国政府は通常であれば更新していた。しかし、今回は貿易戦争の影響で更新されず、その代わりに中国はオーストラリア産牛肉に目を向けたのだろう。米国がハンバーガー用にオーストラリア産牛肉を購入しただけでなく、中国も穀物肥育牛肉を買い始め、需要面ではまさに好条件が重なった」
こうした中、トランプ大統領が4月の演説でオーストラリアの食肉輸出業者を批判したにもかかわらず、牛肉貿易ではオーストラリアが意外な勝者となった。「オーストラリアは米国産牛肉を禁止している。それにもかかわらず、我々は昨年だけで30億ドル分のオーストラリア産牛肉を輸入した。彼らは自国の農家に影響が出ることを望まないため、我々の牛肉を受け入れない。理解はできるが、我々も今夜の深夜から同じことを始める」とトランプ大統領は述べた。
2026年に入り、オーストラリアの牛肉生産者を取り巻く状況は大きく変わっている。輸出価格を押し上げていた多くの関税が米国で撤廃された一方、中国政府も新たに輸入関税を発表した。中国商務省は、一定の輸入枠を超える牛肉に対し55%の関税を課すと発表しており、オーストラリアを含む複数の国が影響を受ける。この関税は今年1月1日に発効し、3年間継続される。
ソース:news.com.au – ‘Stars aligned’ for Australian beef exports, but China tariff sparks concern