政治

銃規制法・ヘイト関連法について知っておくべきこと

【ACT21日】   オーストラリア連邦議会は、15人が死亡したボンディでのテロ事件を受け、銃規制およびヘイトスピーチに関する画期的な法改正を可決した。主な内容は以下のとおり。

法案の概要

連邦議会は、ヘイトスピーチおよび移民に関する法案、関税および銃規制に関する法案、という2本の法案を、20日の緊急国会で可決した。

これらの法改正は、12月14日に発生し、ISISに触発されたとされる襲撃で2人の銃撃犯により15人が殺害されたボンダイでのテロ事件を受けて起草された。

両法案は今後、国王裁可(Royal Assent)を経て正式に成立する予定で、特に銃規制については、施行前に州・準州との追加協議が行われる見通しだ。

ヘイト・関税関連の主な変更点

  • ヘイトを扇動する宗教指導者・指導的立場の人物(海外からの講演者を含む)に対し、新たな「加重犯罪」が導入
    → 罪の重さに応じて最長10~12年の懲役刑
  • AFP(連邦警察)担当大臣(現在は内務大臣)に、団体を「ヘイト団体」に指定する新たな枠組みを付与
    → 指定基準も引き下げ
  • 指定されたヘイト団体との関与(非公式な関わりも含む)が刑事犯罪に
    対象となる行為:メンバーの勧誘、金銭・訓練などあらゆる支援の提供・受領、活動の指揮、団体メンバーであること
    → 懲役7~15年の刑が科される可能性
  • インターネットや電話などの「通信手段」を通じて、子どもに暴力行為を扇動、暴力的過激思想の資料を共有した成人に対し、新たな加重グルーミング罪を導入。
  • ヘイトシンボル関連の犯罪も強化、禁止されたヘイト団体のシンボルを明確に対象化
    「知っていた」ことの証明ではなく、「無謀(reckless)」であったことでも立件可能に
  • 公共の場からヘイトシンボルを撤去させる既存の権限を、オンライン上にも拡大
  • 暴力的過激資料や禁止ヘイトシンボルの輸出入を全面禁止
    → 違反者には厳罰

移民関連の変更点

  • 内務大臣に、過激思想を持つ人物のビザを拒否・取消する大幅な権限を付与
    → ビザ拒否された人物は、永続的に再入国禁止
  • 移民法およびヘイトスピーチ法は、2年ごとに議会の情報・安全保障合同委員会(PJCIS)が見直し
    → ヘイト団体の指定解除については、野党党首への事前説明が義務化(保守連合との交渉結果)

銃規制の主な変更点

  • 全国的な銃の買い戻し制度を導入
    連邦政府主導、費用は連邦政府と州・準州が50:50で負担
  • 全国銃器登録データベースをデジタル化・簡素化
    → 州をまたぐ警察の照会を迅速化
  • 銃の申請者に対し、国家身元調査機関(AusCheck)を通じた、より厳格なバックグラウンドチェックを実施
    → 犯罪歴がなくても、安全保障上のリスクを理由に却下可能
  • 一定条件下で、既に失効・恩赦・破棄された有罪判決についても、治安情報機関(ASIO)や犯罪情報委員会(ACIC)に開示される可能性あり
  • 非市民(外国籍者)は銃の所持を禁止
  • 連発補助型やストレートプル式銃器など、危険性の高い武器の輸入を制限

今回の法改正は、オーストラリアにおけるヘイト対策および銃規制のあり方を大きく転換する内容となっている。

この記事をシェアする

その他のオーストラリアニュース記事はこちら