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4月1日から保険料は業界平均4.41%上昇

【ACT29日】   インフレや金利、エネルギー価格の上昇を背景に、オーストラリアでは医療保険料の大幅な値上げに対する警戒が呼びかけられている。

家庭の固定費が2016年以来の水準で上昇する見込みで、一部の家庭では最大25%の負担増となる可能性がある。オーストラリアでは家計へのさらなる打撃として、民間医療保険料がこの約10年で最も速いペースで引き上げられる。

4月1日から、保険料は業界平均で4.41%上昇する見込みで、これは過去10年ほどで最大の引き上げ幅となり、生活費の高騰が続く中で新たな負担となる。ただし、この4.41%という数字はあくまで平均であり、実際の負担は加入している保険会社や補償内容によって大きく異なる。

営利型の保険会社では値上げ幅が大きく、AIAヘルス(5.98%)、NIB(5.47%)、メディバンク(5.10%)、ブパ(4.80%)などが高い水準となっている。一方、GMHBAなどの非営利団体では1.98%と比較的低く抑えられている。消費者団体は、この平均値の裏で、特に最上位の入院補償プランに加入している家庭にとっては、より大きな負担増となる可能性があると警告している。ゴールドプランの平均値上げ率は13.3%に達し、一部の加入者ではさらに大幅な引き上げとなる見込みだ。

例えば、HCFの「ホスピタル・オプティマル・ゴールド」プランでは、約25%の値上げが予定されており、過去最大級の上昇となる。平均的なゴールドプラン加入者の場合、年間で独身者は約167ドル、家族では約330豪ドルの追加負担となる。保険会社は、保険料上昇の理由として、病院職員の賃金上昇や医療技術の高度化、高齢化の進行、さらにパンデミック以降のメンタルヘルスや慢性疾患への需要増加を挙げている。

しかし、こうした値上げはすでに家計が圧迫されている中で実施される。オーストラリア準備銀行が2026年3月に政策金利を4.1%に引き上げた影響で住宅ローンの返済額は増加しており、インフレ率も依然として目標を上回っている。さらに、燃料費や電気料金の上昇も家計に影響を与えている。主要都市ではガソリン価格が1リットルあたり2.50豪ドルを超え、電気料金も補助金の終了に伴い過去1年で30%以上上昇している。住宅事情も改善の兆しはなく、賃貸物件の空室率は過去最低水準に近く、家賃も近年大きく上昇している。

これらの要因が重なり、家計は限界に近づいており、消費者信頼感もパンデミック以来の低水準に落ち込んでいる。また、業界では「ロイヤルティ・ペナルティ」と呼ばれる問題も指摘されている。これは長期加入者が新規加入者よりも高い保険料を支払うケースを指す。試算では、同等の補償内容でも長期加入者は年間で数百ドル多く支払っている可能性があるという。さらに、保険料の上昇により、特に若年層や健康な人を中心に、民間医療保険の解約や補償内容の引き下げが進む可能性も懸念されている。

その結果、保険会社側には高リスクの加入者が残り、将来的にさらに保険料が上昇する悪循環に陥る恐れがある。

一方で、消費者団体は負担軽減の方法もあるとしている。4月1日の値上げ前に保険料を前払いすることや、保険会社の比較・乗り換え、不要な補償の見直しなどが挙げられる。また、入院時の自己負担額(エクセス)を引き上げることで保険料を抑えることも可能であり、同等の補償内容であれば乗り換え時に待機期間を再度設ける必要はない場合が多い。

複数の面で家計が圧迫される中、今回の医療保険料の値上げは、オーストラリアの人々にとってさらなる負担となる見通しだ。

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