【NSW4日】 世界でも最も毒性の強いヘビが住宅地に近づきつつあるとして、オーストラリアで警戒が呼びかけられている。
国際的な研究プロジェクトによると、気温上昇により従来の内陸部の生息環境が適さなくなり、ヘビが人口密集地の沿岸部へ移動する傾向が強まっている。この変化は、QLD州、NSW州、VIC州を含むオーストラリア東海岸全体で起きると予測されている。
実際に2024年にはその影響がすでに現れており、世界気象機関が観測史上最も暑い年と認定した同年、ヘビ咬傷に関する緊急通報は35%増加した。特に春から初夏にかけての9月1日から12月20日の間だけでも、NSW州の毒物情報センターには320件のヘビ咬傷に関する問い合わせが寄せられた。
世界では毎年約40万人がヘビ咬傷により後遺障害を負い、さらに13万8000人が死亡している。世界保健機関は、今後4年でこれらの数値を50%削減することを目標としている。
学術誌「PLOSネグレクテッド・トロピカル・ディジーズ」に掲載された今回の研究では、重篤な健康被害や死亡、長期的な障害を引き起こす可能性のある508種の毒ヘビの生息域を追跡した。そして2050年および2090年にかけて、それらの分布域がどのように変化するかを予測した。研究では「これまで、広く分布し多くの咬傷を引き起こしている種でさえ、正確な生息分布については驚くほど情報が不足していた」と指摘している。
オーストラリアで特に危険性が高いとされる主な毒ヘビには、インランドタイパン、イースタンブラウンスネーク、コースタルタイパンが含まれる。研究チームは、人間との接触が最も多いのはイースタンブラウンスネークで、次いでコースタルタイパンであると分析した。イースタンブラウンスネークは世界で2番目に毒性が強いヘビであり、オーストラリアにおける致命的な咬傷の主な原因とされている。
研究によると、気温上昇の影響でこのヘビの生息域は2050年までに人口密集地の多い東海岸に沿って南下・拡大すると見られている。研究者らは「今回の予測は、どの地域にどの抗毒素を備蓄すべきか、医療機関の対応能力をどう確保するか、リスクの高い遠隔地域での医療アクセスをどう改善するか、さらに絶滅危惧種の保護をどこに重点的に行うかの判断に役立つ」としている。
ソース:news.com.au – Australians warned to brace for more encounters with deadly venomous snakes