【ACT15日】 オーストラリアの国防費が今後10年間で530億豪ドル以上増加する見通しであり、平時としては過去最大の増額になると、リチャード・マールズ国防相が明らかにした。
マールズ国防相は16日、ナショナル・プレスクラブで演説し、アルバニージー政権による2026年版の国家防衛戦略(NDS)および統合投資プログラム(IIP)を発表する見通しだ。この発表は、イランでの停戦が不透明な状況にあり、イスラエルとレバノンの協議が続くなど、オーストラリアにとって不安定な国際情勢の中で行われる。
また政府は近年、台湾や南シナ海をめぐる中国との長年の緊張が続く中、オーストラリア国防軍の戦力を北部に再集中させる方針を進めている。マールズ国防相は、2024年版NDSで示された方針に加え、今後4年間で140億豪ドル、10年間で530億豪ドルを追加投資する計画を説明する見込みで、これは2026〜27年度予算に反映される予定だ。この増額は、防衛予算のほか、物議を醸している不動産売却や代替的な資金調達による純収益で賄われる。
計画によると、2023〜26年における国防関連の総支出は8870億豪ドルに達する見込みだ。このうち約4250億豪ドルは、2026年版IIPで示された防衛能力強化に充てられ、2020年以降で1500億豪ドル以上の増加となる。
マールズ国防相は演説で、第二次世界大戦終結以降で最も多くの国が紛争状態にあるなど、国際秩序が揺らいでいると指摘し、「防衛能力を迅速に強化するあらゆる手段を追求している」と述べる見通しだ。また「その結果、わが国史上最大の平時における国防費増額が実現しつつある。これは単なるレトリックではない」と強調する。さらにNDSについて、「より危険で不確実な世界を冷静に見据えた評価であり、それに対する自信ある対応だ」と説明する予定だ。
「オーストラリアの防衛自立性を強化する道筋を示し、防衛産業と国家基盤を強化する。また、信頼できる地域および国際パートナーとのネットワークの中で、オーストラリアの位置づけを確固たるものにする。何より、現在の課題だけでなく今後10年にわたり、安全で主権を保ち、即応可能な国家であり続けることを確実にする」としている。
マールズ国防相によると、アルバニージー政権は発足以降、今後の予測期間で300億豪ドル、10年間で1170億豪ドルの国防費増額を実施してきた。ただし、GDP比で約3%の国防支出に達するのは2033年頃になる見通しだ。従来、NATOの目標はGDP比3.5%だったが、昨年はドナルド・トランプ氏の圧力により5%へと引き上げられている。またNDSでは、政府系機関による出資や民間資金の活用など、代替的な資金調達の必要性も指摘される見込みだ。
さらにマールズ氏は、国内への投資拡大も強調。「昨年度は国防予算の約80%が国内で支出された。政権発足以降、防衛分野の直接雇用は14.5%増加した」と説明する。これには、無人の水中・水上艦艇や無人航空機の開発・取得の加速、最先端のドローンおよび対ドローン技術の導入が含まれる。
ソース:news.com.au – Defence spending to increase by $53bn over 10 years, minister reveals