【ACT20日】 連邦政府は、歴史上「最大規模」とされるジフテリアの流行を受け、対応のための支援パッケージを導入する方針を示した。
オーストラリアではこれまでに220件以上の感染が報告されており、NT準州では約10年ぶりとなるジフテリアによる死亡例も確認された。感染はNT準州で始まり、WA州、QLD州、SA州へと拡大している。
連邦保健相マーク・バトラー氏は、この状況を「非常に懸念される」と述べた。「全国的に約35年間データを記録してきたが、今回の流行はこれまでで圧倒的に最大規模だ。過去5年間の平均と比べて約30倍の症例数だ」と説明した。
政府は感染拡大への対応として、低下しているワクチン接種率の向上を目的とした支援策を準備している。「ワクチンの追加供給や医療人員の増強を含むパッケージを本日中にまとめる予定で、NT準州政府やアボリジニ主体の医療機関と連携して進めている。今回の流行は主に同地域の先住民コミュニティで発生している」とバトラー氏は述べた。
さらに「新規感染の大半は呼吸器型ジフテリアで、より重症化しやすく、約25%が入院している」とし、「感染者本人だけでなく、ノーザンテリトリーの医療体制にも負担がかかり始めている」と警鐘を鳴らした。
国家感染症監視システムによると、これまでにNT準州で133件、WA州で79件、SA州で6件、QLD州で5件が報告されている。また、同地域で確認された死亡例は、国内で約10年ぶりのジフテリアによる死者となった。
バトラー氏は、死亡事例については現在調査中としつつも、「深刻な状況であることは間違いない」と強調した。「NT準州では特に深刻で、他地域にも拡大しており、SA州境を越えてAPYランドにも広がっている」と述べた。同氏はまた、保健当局がNT準州政府や先住民医療機関と連携し対応していると説明し、「同地域の感染者のほぼすべてが先住民である」とした。
アリススプリングスの医療機関との会合では、関係者が「非常に強い危機感」を抱いており、ワクチン接種率向上に取り組んでいるという。「ワクチン接種の取り組みを強化している。成人はおよそ5年ごとに追加接種が必要だ」と述べた。
ジフテリアは細菌による感染症で、主に鼻や喉の粘膜に影響を及ぼす。感染後2〜5日で症状が現れ、喉や扁桃に灰色の膜ができるのが特徴。その他、喉の痛み、首の腫れ、発熱、悪寒、呼吸困難などの症状が見られることがある。また皮膚に感染するタイプもあり、赤く痛みを伴う腫れを引き起こす。治療薬は存在するが、ワクチンや追加接種を受けていない場合、呼吸障害や心臓・神経へのダメージ、さらには死亡に至る可能性がある。
中央オーストラリア・アボリジニ会議の主任医師ジョン・ボファ氏によると、現在は週に15〜20件の新規感染が報告されているが、徐々に減少傾向にあるという。「検査数が増えたことで感染が多く見つかっているが、今後は接種率の向上に伴い減少していくことが期待される」と語った。中央オーストラリアではワクチンの受け入れ自体は「非常に良好」だが、追加接種を受けていない人が多いと指摘。
リスクの高い人に対しては、追加接種の間隔が従来の10年から5年に短縮された。「どこにいても感染のリスクはある。追加接種を受ける必要がある」とボファ氏は強調。「喉の痛みがある人はすぐに医療機関で検査を受けてほしい。皮膚の異常がある場合も同様に受診し、検査を受けるべきだ」と呼びかけた。
ソース:news.com.au – ‘Very concerning’: Federal government pledges support package to combat ‘biggest ever’ outbreak of diphtheria