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生活費高騰で現金回帰、キャッシュ利用増加

【ACT12日】   生活費の高騰を背景に、オーストラリアでタッチ決済から現金へと回帰する動きが広がっていることが、新たな決済レポートで明らかになった。

生活費の圧迫により、オーストラリア人は予算管理の手段として現金を再び活用し始めており、キャッシュレス化の流れに逆行する動きとなっている。

キャッシュレス社会への移行が進められているにもかかわらず、最新のグローバル・ペイメンツ・レポートによると、現金は依然として利用されており、2030年には全取引の9%を占める見込みだ。特に55歳以上では、約20%が店舗で最も頻繁に使う支払い方法として現金を選んでいる。一方で若年層では割合が低く、35〜44歳では約13%、25〜34歳では8%、18〜24歳では6%が現金を最も多く利用している。

グローバル・ペイメンツのオーストラリア・ニュージーランド担当責任者のコリン・ベインズ氏は、現金が支持される理由について「予算管理に適しているため」と説明した。「個人的には、経済状況が厳しい時ほど現金は非常に有効な管理手段になる。毎週一定額を引き出し、その範囲内で使う。財布の中身を見れば残金が一目で分かる」と述べた。

また、現金は使い切ればそれ以上支出できないため、カードのタッチ決済のように際限なく使ってしまうリスクを防げる点でも有効だとした。

今回の調査は、中東情勢を背景とした新たな生活費上昇圧力の中で発表された。オーストラリア統計局によると、年間インフレ率は3月の4.6%から4月には4.2%へと低下した。これは3月の原油価格の急騰と、4月に実施された燃料税の一時的な半減が影響している。ただし、6月30日に燃料税減税が終了すれば、米国とイランの対立次第で再び原油価格が上昇する可能性がある。

また、変動の大きい項目を除いた基調インフレ率(トリム平均)は4月までの1年間で3.4%に上昇しており、依然として物価上昇圧力が続いていることを示している。いずれの指標も、準備銀行(RBA)が目標とする2〜3%を上回っている。

ベインズ氏は「現金はシンプルで効果的な予算管理手段であり、人々が再び使い始めているのではないか。現金は使い切れば終わりだが、デジタル決済ではタップし続けて支出が積み上がってしまう」と述べた。

一方で、デジタル決済は依然として経済の基盤を担っている。グローバル・ペイメンツによると、店舗での取引の64%はカード決済となっている。また、スマートフォンやウェアラブル端末を使ったデジタルウォレットも急速に拡大しており、オンライン取引に占める割合は現在の43%から2030年には50%に達する見込みだ。

さらに、オーストラリアとニュージーランドは「今買って後で支払う(BNPL)」の利用でもアジア太平洋地域をリードしており、2025年にはEC取引額の13%を占めるとされている。

ベインズ氏は「デジタルウォレットの拡大、カード決済の優位性、BNPLの普及など、決済環境の変化は続いている」としたうえで、「現金も一定の役割を維持する中で、多様な支払い方法に対応できる企業が成長する」と指摘した。

ソース:news.com.au – More Aussies embracing cash to control spending as cost-of-living pressures drive budget habits

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