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餓死か安楽死か、シドニー湾の赤ちゃんクジラ 

 【シドニー21日AAP】今月17日、シドニー北部のピットウォーターで泳いでいた赤ちゃんザトウクジラに関して、このまま餓死させるのか、もしくは少しでも早く苦しみから解放させるために安楽死させるのか、専門家の間で論議が繰り広げられている。

 「コリン」という愛称がつけられたこの赤ちゃんクジラは体長が4.5メートルで推定年齢は2~3週間。コリンには生体的な問題があるとみられており、そのため母親クジラに見放されたと考えられている。

 NSW州国立公園と野生動物のスポークスマン、ジョン・デンゲート氏は、「成長したクジラなら何カ月も食べ物なしで生きていけるが、赤ちゃんとなると・・・数週間というところか」と述べた。

 また同氏はコリンを飼育することに関して次のように述べた。「飼育するとなると11カ月間授乳をしなければならないが、世界中をみてもそういった前例がない。また、飼育する巨大なスペースも確保しなければならない。授乳期を過ぎると南極海へ運ばなければならないが、シドニー湾から2000キロもある。物理的に飼育は不可能と思われる」。

 シドニー市民をはじめ世界中の人々が現在、この赤ちゃんクジラの行く末を見守っているが、その多くはコリンに餌が与えられないことや具体策が何もないことにいら立ちを感じている。

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