【NSW11日】 シドニー海域で水温が上昇し、サメの滞在期間が15年前と比べて平均で15日延びていることが、ジェームズ・クック大学の研究により明らかになった。
ジェームズ・クック大学のニコラス・ルビッツ博士によると、シドニー海域の水温を分析した結果、過去40年間で上昇し続けており、イタチザメがシドニー沖に滞在する日数は15年前と比べて平均15日長くなっているという。
オーストラリアで発生したサメによる事故のデータベースでは、シドニー湾で人間が遭遇したのはほとんどがイタチザメで、世界で最も危険で攻撃的なサメの一種とされている。今年3月、シドニー南部バンディーナのグンヤ・ビーチで女性一人がイタチザメに襲われる事故が発生している。女性は重傷を負ったものの一命をとりとめた。
イタチザメは通常、水温19度未満となる冬季にはQLD州の海域へ移動するが、シドニー海域での滞在期間が延びれば、サメが人間や動物と同じ海域に存在する時間が長くなる。ルビッツ博士は、温暖化の傾向が続けば、イタチザメが「年間を通じて」シドニー沖に生息する可能性もあると指摘している。
また、野生動物科学者のピロッタ氏は、例えば、お金を払ってサメと泳いだり、クジラを見るといった商業利益をもたらしてくれるとし、この研究結果が人間と海洋環境との関わり方に影響をもたらす可能性があるとの見解を示した。
ソース:news.com.au-Warning climate change could keep bull sharks in Sydney waters ‘year-round’