【NSW29日】 オーストラリアのミュージシャンが、「新しいルールによって新進アーティストが『ほとんど何もできなくなった』」として、シドニー市の決定を「非常に残念だ」と批判している。
TikTokの「ライブクリエイター・オブ・ザ・イヤー」にノミネートされているアーティスト、Ula(ウラ)は、シドニーの繁華街で有名曲をカバーしながらバスキング(路上ライブ)を行う動画を投稿し、音楽シーンで注目を集めた人物だ。彼女は、新たな規制によりシドニー中心部のジョージ・ストリートでのバスキングが実質的に禁止されたとして、SNS上で強く批判している。
Ulaによると、バスカー(路上パフォーマー)向けに送られたというメールには、「ジョージ・ストリートでは、シドニー・バスキング規約(Sydney Busking Code)に基づく特別指定エリア以外での演奏は禁止」と記載されていたという。
彼女はTikTokで「シドニー市議会がこうしてあからさまにアートを支援しない姿勢を見せるなんて、本当に失望した。この新ルールのせいで、ミュージシャンは『ほとんど何もできない状態』になっている」と訴えた。
一方で、シドニー市議会の報道官はこの主張を否定。同市の新しいシドニー・バスキング規約によると、ジョージ・ストリート沿いには6カ所の特別指定バスキング・エリアが設けられ、午前11時から午後10時までの間、許可を持つ演奏者がパフォーマンス可能だという。
これらの変更は今年8月に全会一致で承認され、昨年6月から8月までの42日間にわたり一般から意見募集が行われた。寄せられた意見はわずか14件で、そのうち4件がバスカーからのもので、市の監視員による違反者や抗議活動の取り締まり強化を求める内容だった。ジョージ・ストリートでの特別エリア設置に関しては反対意見は出ていなかったという。
報道官は、「シドニー市はバスキングを強く支持しており、オーストラリアの都市の中でも最も寛容な地域の一つだ。バスカーは都市の文化的生命を象徴する存在であり、多様性・敬意・包摂といった価値を体現している。私たちは引き続き、市内のほとんどの公共スペースでのバスキングを認めているが、ジョージ・ストリートやピット・ストリート・モールのような人通りの多い場所では、安全と調和を保つために一定の管理が必要だ」と述べた。
ソース:news.com.au – ‘Disappointing’: Aussie artist slams new busking rule