【ACT4日】 アカウントの突然の利用停止、意図しないサブスク料金、役に立たないチャットボット。こうした問題に悩まされるオーストラリア人が急増し、テック大手への苦情件数が爆発的に増えている。
SNSから締め出され、思わぬ料金を請求され、自動応答のチャットボットに振り回される状況が広がっているが、監視機関は「対応する権限がない」としている。通信業界オンブズマン(TIO)の新たな報告書によると、2023年以降、1500人以上がSNS、クラウドストレージ、アプリストアなどのオンラインサービスに関するトラブル解決を求めて相談してきた。
苦情件数は急増しており、2025年前半の苦情は2024年同時期比で26%増、2023年比では47%増となった。2024年の件数も前年からほぼ30%増えており、今年も上昇を続けている。最も多い問題はアカウントアクセスで、全体の36%を占める。16歳未満のSNS利用禁止の導入に伴い、この問題はさらに増加すると見られている。全体の71%がGoogle、Microsoft、Apple、Hubbl、Metaに関するもので、その中でも最も多かったのはGoogleだった。
アカウント凍結、ブロック、ハッキングなどのアクセス問題が36%を占めており、多くは自動的な利用停止や本人確認エラーにより、警告や説明なしにユーザーが締め出されるケースだ。TIOはこれを大手プラットフォームに共通する「体系的な失敗」と指摘している。料金や請求に関する苦情は34%、不良品・不良サービスによる苦情は25%を占めた。これらには、開示されていないサブスク料金、解約後の継続請求、返金手続きの困難さなど、恒常的に見られる問題が含まれる。
利用者がTIOを頼る時点で、多くが「フォーラム、チャットボット、メールサポートを使い果たした後」であり、長期間にわたって徒労に終わったことを示している。「人々がAIの壁にぶつかり、必要な支援を得られていないという問題が起きている」とオンブズマンのシンシア・ゲバート氏は話す。
多くの利用者がチャットボットや自動メールでは問題を解決できず、TIOに助けを求めている。しかし現在、TIOに権限があるのは通信分野のみで、デジタルプラットフォームは管轄外となっている。「通信会社の問題と違い、デジタルプラットフォームのトラブルには私たちが介入する権限がない。誰も助けることができない」とゲバート氏は述べる。
ゲバート氏は、立法に裏付けられた「コミュニケーションズ・オンブズマン」の必要性を強調した。これにより情報提供の強制力、拘束力のある判断、苦情の公表、体系的問題の調査などが可能になる。さらに、未成年SNS禁止の導入が進む中、プラットフォーム側の誤りに対して利用者が適切な異議申し立てを行える仕組みが不可欠だと指摘した。
報告書では、デジタルプラットフォーム利用者が直面する被害が、通信業界で見られる問題とますます似通ってきていると述べている。小規模事業者は特に深刻な影響を受けやすく、ハッキングや身代金要求、アカウント停止の未解決が生計を脅かす。障害を持つ人や、経済的に厳しい家庭も多く事例に含まれている。状況は悪化しており、苦情件数は年々増加しているにもかかわらず、プラットフォーム側の内部対応には改善の兆しが見えない。政府は2024年7月までに自主的な内部苦情処理基準の導入を求めたが、TIOによれば「まだ策定中」のままだという。
ソース:news.com.au – Digital platform complaints soar as Aussies face account lockouts, bans, hacking and unresolved disputes