国際

マーリス副首相、米国の「移民犯罪データ」要求に沈黙

【ACT10日】   リチャード・マーリス副首相は、ワシントンでの二国間協議で、米国が求める「移民犯罪データ」について話し合われたかどうかについて回答を拒否した。

先月、ドナルド・トランプ大統領は世界中の米国大使館(キャンベラの大使館を含む)に対し、「移民背景を持つ人物により引き起こされる移民関連犯罪および人権侵害」のデータ収集を命じた。米国務省はこの命令の目的について、「大量移民という存亡に関わる脅威」に対処するためだとしている。

豪米閣僚協議(AUSMIN)のため米国の要人と会談したマーリス氏は、移民犯罪が議題に上ったかどうか問われても明確な回答を避けた。マーリス氏はABCに対し、「会談の細部について踏み込むつもりはない。適切に、そうした多くの内容は非公開の場で行われるものだ」と述べ、「我々は安全保障協力に集中していた。この会議の主眼はそこにあった」と説明した。

AUSMINに出席したペニー・ウォン外相も、火曜日の記者会見でデータ要求について質問を受けた。ウォン氏はワシントンで、「米国の選挙戦の時点から述べているように、トランプ大統領は世界における米国の役割をこれまでとは異なる形で想定している。それ自体は驚くことではない」と話した。さらに、「オーストラリアについて言えば、我々は非差別的な移民政策を非常に明確に掲げている。そして多文化主義の重要性と価値について明確な立場を持っている。その立場を維持していく」と述べた。

米国の要求に応じる予定があるか問われると、ウォン氏は、オーストラリア政府は「多文化的で多様な社会」を擁護し続けるとし、それこそが「世界における我々の最大の強みの一つ」だと述べた。「それは外交上の強みでもある」とも付け加えた。

先週、トランプ政権は国家安全保障戦略を発表し、米国の外交政策は「大量移民の時代を終わらせること」を優先するとした。戦略は、大量移民が国内資源への負担につながり、暴力やその他の犯罪を増大させると直接的に結びつけている。この種の主張は世界中で反移民感情を煽る要因となっており、オーストラリアも例外ではない。

現在オーストラリアは、政府が認可した技能・家族・人道ビザなどで年間約18万5000人の移民を受け入れている。国内では、移民犯罪を扱った最後の議会調査は2017年に行われたVIC州の若者犯罪に関するもので、VIC州犯罪統計局およびVIC州警察の提出した証拠では、殺人、重傷害、強姦、加重侵入、自動車盗、暴動・喧嘩などの犯罪について、加害者の大多数はオーストラリア生まれであることが示されていた。

ソース:news.com.au – Deputy Marles Richard Marles tight-lipped on US request for Australian migrant crime data

この記事をシェアする

その他のオーストラリアニュース記事はこちら

生活

VICとNSWで蚊媒介感染症が発生

【VIC7日】   健康専門家は、今夏オーストラリアで蚊によって広がるウイルスに警鐘を鳴らしている。これらの感染症はすでにN…