【NSW17日】 オーストラリアで最も権威あるイスラム宗教機関の一つが沈黙を破り、ボンダイ事件の容疑者とされる人物らがテロ組織ISISと関係しているとの報道を受け、強く非難した。
オーストラリア国内最高位のイスラム宗教機関であるオーストラリア全国イマーム評議会(ANIC)は、火曜日夜の声明で、父子とされるサジド・アクラム容疑者とナヴィード・アクラム容疑者に言及し、ISISを「邪悪で危険な組織」だと断じた。「ISISは、いかなる意味においてもイスラムやムスリム社会を代表するものではない。その思想は邪悪で、暴力と恐怖に根差している。命の尊厳、公正、慈悲を重んじるイスラムの教えや倫理、学問とは一切関係がない」と同評議会は声明で述べた。
この声明は、警察がナヴィード容疑者の車両内から手製のISIS旗を発見したこと、またアクラム父子が軍事訓練のような目的でフィリピンを移動していたとされる事実が明らかになったことを受けて出された。ANICは「ISISによる被害を最も直接的に受けてきたのはムスリムであり、その犠牲者の大多数もムスリムだ。中東やアフリカをはじめ、世界各地の地域社会が大量殺戮、強制移住、モスクを含む礼拝所の破壊に苦しめられてきた」と述べた。
「ISISは、その行動と思想のすべてにおいてイスラムの教え、そして世界中のムスリムが共有する価値観と完全に相反するテロ組織だ。この立場はISIS出現当初からANICが一貫して示してきたものであり、今後も揺らぐことはない」
ボンダイ事件の容疑者とされるナヴィード・アクラム容疑者が昏睡状態から回復したと報じられた。警察に撃たれ入院中だったが、意識を取り戻したという。一方、ボンダイの追悼会場では混乱が起き、ポーリーン・ハンソン上院議員やバーナビー・ジョイス議員の来訪に、支持の声と怒号が入り混じった。
NSW州警察のマル・ラニヨン長官は、ナヴィード容疑者の車内から手製のISIS旗と爆発物が発見されたことを確認した。現場では少なくとも3つの爆発物が見つかっている。アルバニージー首相は、父子がISISに影響を受けていた可能性が高いと述べ、「イスラムの歪曲は世界的な問題だ。ISISは邪悪な思想を生み出した」と語った。
事件後、シドニーでは連帯の動きが広がり、献血の予約数が過去最高を更新した。月曜日だけで約5万件の予約が入り、血液・血漿・血小板の提供数も過去最多となった。
NSW州のミンズ州首相は、今回の事件を受け「強力な法律と圧倒的な警察対応」を実施すると表明。「ユダヤ系オーストラリア人を狙ったこの卑劣なテロは、オーストラリアの生き方そのものへの攻撃だ。我々は反ユダヤ主義という癌を根絶するため、あらゆる力を尽くす」と述べた。
ソース:news.com.au – ‘Evil, no connection to Islam’: Leading religious organisation condemns alleged Bondi shooter’s ISIS links