【ACT12日】 欧州連合(EU)は、オーストラリアとの難航している貿易協定を成立させるための提案として、オーストラリア人がEU域内で自由に居住・就労できる制度を提示していることが分かった。
関係筋によると、ブリュッセルが提案した双方向の人材移動スキームにより、オーストラリア人は事前に就職先を確保しなくても、EU諸国へ移動して働くことが容易になる可能性がある。同様の条件は、オーストラリアへの移住を希望するEU市民にも適用される。欧州側の関係者の一人によれば、滞在期間は4年間を上限とし、将来的な定住の選択肢も含まれる可能性があるという。
アルバニージー政権はこの提案を検討しており、オーストラリア側の関係者は、建設業など同等の基準で訓練を受けた労働者を受け入れることで、人手不足の解消につながるとみている。
先週、EU加盟国の大多数は、南米の5カ国からなる貿易圏との自由貿易協定を支持し、25年に及んだ交渉に終止符を打った。これにより、オーストラリアとの合意も近いのではないかとの期待が高まっている。欧州側の関係者は、現在ブリュッセルにとってキャンベラとの合意が最優先事項であり、「次に控えている案件」だと述べている。オーストラリア側も同様の話を聞いているという。
ドン・ファレル貿易相は2025年の大半をEUとの合意締結に費やしてきた。27加盟国からなるEUとの協定交渉は2018年から続いている。2023年初頭には合意寸前まで進んだが、EUがオーストラリア産の食肉や乳製品の受け入れ拡大に消極的だった一方、フェタやプロセッコといった特定地域に由来する地理的表示(GI)の制限をオーストラリアに尊重するよう求めたことで交渉は決裂した。
EUの生産者は、これらの名称は地域的な重要性を理由に独占的に使用されるべきだと主張している。ファレル上院議員は、日本・大阪まで会いに来たEU代表団との協議を途中で打ち切った。昨年のドナルド・トランプ前米大統領による関税措置をきっかけに、交渉は再び勢いを取り戻し、貿易交渉担当者が再び交渉の場に戻った。
野党の通商担当報道官ケビン・ホーガン氏は12日、「EUとオーストラリアの合意は非常に早くまとまるだろう」との見方を示し、合意を急ぐあまり農家を「犠牲にしない」よう政府に求めた。
一方で、農業分野、特に牛肉や砂糖の市場アクセスについて「懸念」があるとも指摘した。
EU側とオーストラリア側の高官はいずれも、ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長を含む形で合意を締結したい意向を示している。同委員長は昨年6月、アルバニージー首相との会談後、この構想を評価していた。EUはまた、中国への依存を減らすため重要鉱物の調達先多角化を進めており、その候補としてオーストラリアを位置付けている。
ジム・チャーマーズ財務相は11日、フランス、ドイツ、イタリアなどEU加盟国を含むG7諸国の関係者に対し、オーストラリアの重要鉱物分野を売り込むためワシントンを訪れた。自由貿易協定が締結されれば、EU諸国はオーストラリア産の重要鉱物を無関税で輸入でき、欧州からの投資も促進されることになる。
ソース:news.com.au – EU offering easier access for Australian workers in trade play