【NSW3日】 NSW州でコウモリに噛まれた50歳の男性が、オーストラリア・コウモリ狂犬病ウイルスに感染した後、死亡したことが、同州保健当局による発表で分かった。男性は数か月前にコウモリに噛まれたことで感染したとみられている。州内では、オーストラリア・コウモリ狂犬病ウイルス(ABLV)による死亡例はこれが初めて。
ABLVは狂犬病ウイルスに非常によく似たウイルスで、人間へはコウモリの唾液を介し傷口やひっかき傷からウイルスが侵入することで感染する。このウイルスを保有するのはフルーツバット、ミクロバット、フライングフォックスなどだ。
NSW州保健省の健康保護担当ディレクターのグラスゴウ氏によると、男性は数か月前にコウモリに噛まれ、傷口の治療を受けていたという。男性が死亡したことについて、「悲劇的な状況」とした上で、現在、感染経路などを調査していると説明した。
国内では、コウモリに噛まれて死亡したケースは3件あり、今回で4件目。過去のケースはいずれもQLD州で発生しており、NSW州での死亡例は初めて。また、NSW州でコウモリに噛まれたり、引っかかれて治療を受けた人は昨年だけで118人に上っている。
グラスゴウ氏は、コウモリに噛まれたり引っかかれた場合、直ちに医療機関を受診することが重要と呼びかけている。また、応急処置として、すぐに石鹸と水で15分間傷口を洗い流し、抗ウイルス効果がある消毒液を塗り、乾かしておくことが大切だとしている。
NSW州保健省の報道官は、すべてのこうもりがABLVを保有している可能性があるとして、素手で触れないよう呼びかけている。
ソース:news.com.au-NSW man dies after contracting Australian bat lyssavirus