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アルバニージー首相が銃規制の「強化」を表明

【NSW15日】   ボンダイ・ビーチで15人が死亡したテロ攻撃を受け、アンソニー・アルバニージー首相は銃規制の強化に踏み切る姿勢を示した。

14日に発生したボンダイ・ビーチでのテロ攻撃を受け、国家内閣は、1996年のポート・アーサー銃乱射事件以来初となる、緊急の銃規制改革に合意した。アルバニージー首相は16日に国家内閣会議を招集し、各州・準州の首長らは全国的に銃規制を強化することで一致した。警察担当大臣および法務長官らには、個人が所持できる銃器の数を制限する選択肢を検討・策定するよう指示が出された。また、無期限の銃器ライセンスの制限、特定の銃器タイプの禁止、非市民による銃器ライセンス取得の禁止についても検討される。

この取り組みは、クリス・ミンズNSW州首相と、ロジャー・クックWA州首相が主導する。連邦政府はさらに、銃器や武器の輸入規制の強化にも着手し、3Dプリンター、最新技術、大量の弾薬を装填できる銃器部品なども対象とする。首相・州首相らは、地域社会に存在する未登録銃器の数を減らすため、恒久的な自主提出制度(全国銃器アムネスティ)への取り組みを改めて確認した。

内閣ではまた、反ユダヤ主義に対抗し、警察機関間の情報共有を強化するため、全国的なヘイトクライム・事件データベースの必要性も認識された。ユダヤ系コミュニティや文化施設における警備強化の必要性も指摘された。会議では、クリス・ミンズNSW州首相、マル・ラニヨンNSW州警察長官、クリッシー・バレット連邦警察長官、豪州保安情報機構(ASIO)のマイク・バージェス長官が、事件に関する最新の警察情報と対応について説明した。

首相府の声明では、「指導者たちは、昨日発生した恐ろしい反ユダヤ主義的テロ攻撃はオーストラリアにあってはならず、反ユダヤ主義という邪悪な脅威を根絶しなければならないことで一致した」としている。

この大規模な改革は、父子が関与したとされるテロ攻撃で、15人が死亡、40人が負傷した事件を受けたものだ。14日夜、象徴的なビーチで行われていた「チャヌカ・バイ・ザ・シー」イベントで起きたこの虐殺事件では、サジド・アクラム容疑者(50)と、その息子ナヴィード・アクラム容疑者(24)が銃撃犯とみられている。サジド容疑者は現場で警察に射殺され、ナヴィード容疑者は警察の監視下で病院に搬送され、重体だが容体は安定しているとされる。警察によると、サジド容疑者は約10年間銃器ライセンスを保有し、事件当時は約6丁の銃を所持していた。

アルバニージー首相は、事件を受けて銃規制のさらなる強化に前向きな姿勢を示している。ミンズNSW州首相も、「法律は変わる必要がある」と述べ、近く具体的な対応を取る考えを示している。

警察によると、サジド容疑者はカテゴリーAの銃器ライセンスを保有しており、長銃(ロングアーム)の所持が認められていた。また、銃クラブの会員でもあったと、ラニヨン長官は明らかにした。「彼はレクリエーション狩猟用ライセンスとして、銃器ライセンスの取得要件を満たしていた」と説明した。

カテゴリーAライセンスでは、エアライフル、自動装填式を除くリムファイア・ライフル、ポンプ式・レバー式・自動装填式を除くショットガン、ショットガンとリムファイアの複合銃などが認められている。銃器ライセンスの費用は、5年で200ドル、2年で100ドル。申請者には、安全講習の修了、安全な保管体制の確保、「適格かつ適切な人物」であることなど、複数の要件が課される。

また、過去10年間の前科、接近禁止命令や暴力関連の履歴などを含む、個人履歴の厳格な審査も行われる。

アラナ&マデリン財団のアドボカシー顧問で、オーストラリア銃安全同盟の代表を務めるスティーブン・ベンドル氏は、ミンズ州首相の発言を歓迎した。同財団は、1996年のポート・アーサー銃乱射事件で殺害されたアラナ・ミカックさんとマデリン・ミカックさんを悼み、翌1997年に設立された。2人の少女の母親も含め、事件では32人が犠牲となった。

ソース:news.com.au – Albo vows to ‘toughen up’ gun laws after Bondi Beach massacre that killed 15

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