政治

豪でヘイトスピーチ法が可決

【21日】   歴史的な深夜採決で、アルバニージー政権はヘイトスピーチ改革法案を成立させた。これにより、憎悪を助長する宗教指導者はより重い罰則に直面することになる。

憎悪を扇動する宗教説教師に対する罰則強化や、内務大臣によるビザ取消権限の拡大を盛り込んだヘイトスピーチ改革法案が、歴史的な深夜採決で可決された。「反ユダヤ主義・憎悪・過激主義対策(刑法および移民法)法案2026」は、20日夜11時の強制打ち切り直後、自由党の支持を受けて上院で38対22で可決された。

国民党は、ブリジット・マッケンジー上院議員が提出した「法案を委員会審議に付す」修正案が否決されたことを受け、党議拘束を破って法案に反対した。国民党党首のデービッド・リトルプラウド氏は、この決定は連立内の関係性を損なうものではないと述べた。「連立は法案に重要な改善を加えることに成功したが、国民党の党会合は、最終決定の前により十分な検証と精査の時間が必要だと結論づけた」と語った。

野党が提出したオーストラリア国旗の焼却や冒涜を犯罪とする修正案や、デービッド・ポコック議員、グリーンズ、ワン・ネイションなどによる修正案もすべて否決された。

今回の可決は、アンソニー・アルバニージー首相にとって2度目で最後の厳しい勝利となった。首相は法案を分割し、銃規制改革部分はグリーンズの支持を得て午後7時6分に38対26で可決されている。

本法案はボンダイビーチでのテロ事件を受けて提出されたもので、憎悪を助長する説教師や指導者に対する加重犯罪の新設、強化された国外退去権限、ネオナチ団体「ナショナリスト・ソーシャリスト・ネットワーク」や「ヒズブ・ウト・タハリール」などを指定ヘイト団体とする新カテゴリーの創設を目的としている。

スーザン・リー野党党首は、先週「救いようがない」としていた改革について、法律の2年後の強制見直し条項や、ヘイト団体指定時に野党党首へ協議すること、訪問説教師も処罰対象に含めることなどを交渉で盛り込んだと主張した。

一方で、盛り込まれなかった内容への批判も強かった。アルバニージー首相は、連立やグリーンズの支持が得られず、人種的中傷を犯罪とする条項を削除せざるを得なかったとして、「反ユダヤ主義対策として本来望んでいたほど強い内容ではない」と述べた。

ペニー・ウォン外相は、今回の改革は反ユダヤ主義特使ジリアン・シーガル氏の提言を実行する政府の姿勢を示すものだが、人種的中傷犯罪の削除は「重要な提言が反映されなかった」と述べ、野党を批判した。グリーンズのメフリーン・ファルキ上院議員は、銃規制には賛成した一方で、ヘイトスピーチ改革については「無責任な対応」であり「見せかけのプロセス」だと政府を非難し、「ムスリムや移民を犠牲にしている」と述べた。

一方、銃規制法案では、国家的な銃の買い戻し制度の創設、銃免許審査での情報共有強化、免許をオーストラリア市民に限定することなどが盛り込まれているが、国民党は「行き過ぎた介入」だと強く反発している。

この一連の法改正は、ボンダイで起きた事件を受けて急ぎ策定されたものであり、議会内外で手続きの拙速さや内容の妥当性をめぐる激しい議論を呼んだ。多くの議員が、反ユダヤ主義や過激主義に対処する必要性には同意しつつも、拙速な立法が民主主義や社会の分断を深める恐れがあると警鐘を鳴らしている。

ソース:news.com.au – Hate speech laws pass with support from Liberals, Nationals cross the floor

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