【NSW10日】 シドニーCBDで激しい衝突が起きた抗議デモをめぐり、主催者側はNSW州首相と警察に責任があるとして非難し、米国との驚くべき比較を持ち出した。
9日に行われた、イスラエルのアイザック・ヘルツォグ大統領のオーストラリア訪問に反対する抗議デモの主催者は、デモが混乱に陥ったのはNSW州首相と警察の対応が原因だと主張し、本来は行進を許可されるべきだったと述べた。これに対し、NSW州のクリス・ミンズ首相とマル・ラニヨン警察長官は、警察の判断と行動は正当だったと擁護。一方、トニー・アボット元首相は、暴徒化した抗議デモを強く批判した。
パレスチナ・アクション・グループ(PAG)の主催者のジョシュア・リーズ氏は、10日夜にシドニー市内の主要警察署前で新たな抗議デモを行う考えも示した。
ヘルツォグ大統領は9日から4日間の日程でオーストラリアを訪問しており、ボンダイ・ビーチで起きたテロ事件で15人が死亡、数十人が負傷したことを受け、ユダヤ人コミュニティと追悼の意を表すため、公式に招待されていた。抗議者たちは、ヘルツォグ大統領がガザでの「ジェノサイド」を主導していることを非難しているが、イスラエル側はこれを強く否定している。
9日夜、シドニーで数千人が参加した反イスラエル集会は、州政府が大統領訪問を「主要イベント」に指定する決定に対する直前の法的異議申し立てに敗れたが、タウンホールでの集会と州議会への行進を強行した。この指定により、NSW州警察には権限が拡大され、CBDや東部郊外の一部封鎖、職務質問や捜索、警察の指示に従わなかった場合の最大5500豪ドルの罰金科すことが可能となった。
9日午後4時すぎに裁判所の判断が出た後、リーズ氏はタウンホールでの集会を実施すると表明した。これまでに27人が逮捕され、そのうち10人はタウンホールでの集会後、警察官への暴行容疑とされた。ほかにも、警察の指示に従わなかったとして手錠をかけられた参加者がいた。
SNSで拡散された映像には、タウンホール周辺で抗議者と警察官が激しく衝突し、警察官に殴られているとみられる男性の様子も映っていた。別の映像では、祈りのために身をかがめていたイスラム教徒の参加者を、警察官が移動させている様子が確認された。さらに、騎馬警官や徒歩の警官が群衆を追い立て、催涙スプレーを噴射して解散させているとされる映像も投稿された。TikTokには、「群衆事故の中で、警察が馬に乗って突入し、催涙スプレーを使った時」というキャプション付きの動画も投稿された。
PAGの主催者らは、NSW州政府と警察の対応を強く非難し、トランプ大統領下のアメリカになぞらえた。「昨夜の出来事に正当性はまったくない。これは容認できない」とリーズ氏は述べた。「行進しようとした人たちだけでなく、合法的で、現行の抗議規制下でも認められていたタウンホールでの静的集会に参加していただけの全員への攻撃だ」と主張した。「その代わりに、我々は殴られ、催涙スプレーを浴びせられ、残酷な扱いを受けた。決して起きてはならなかった」と非難した。
リーズ氏は、タウンホールから約1km離れたICCで行われていたヘルツォグ大統領出席の追悼行事に参加していた7000人のユダヤ人に対する脅威はなかったと述べた。PAGは10日夜、サリー・ヒルズ警察署前で別の集会を計画している。
ミンズ首相は、イスラム教徒の礼拝者を移動させたことで警察が「侮辱しようとした」わけではないと述べ、「状況の文脈が重要だ」と強調した。「NSW州警察は何十年にもわたり、シドニーのイスラム・アラブ系コミュニティと協力的な関係を築いてきた。しかし当時の状況は極めて困難で、事実上、暴動の真っただ中だった」と語った。ラニヨン警察長官も首相の見解を支持し、「侮辱する意図はなかった」と説明した。
トニー・アボット元首相は警察官を称賛し、懲戒処分ではなく「静かな評価」を受けるべきだと述べた。「より強い警察対応が必要だ。催涙ガスやゴム弾も必要だ」と主張し、「これは国の心臓部に突き立てられた短剣だ」と抗議者のスローガンを非難した。
ソース:news.com.au – Protesters blame NSW Premier, police for chaotic protest against Israeli President in central Sydney