【NSW4日】 通販大手アマゾンは、オーストラリア国内で「フルフィルメントセンター」と呼ばれる倉庫を8か所で運営しており、このうち7か所は日本などで導入されているAIや大規模なロボットシステムがまだ導入されていない状況となっている。
アマゾンはロボット導入は重要だとする一方、倉庫での仕事はスキルのない人やエントリーレベルの労働者にとって、雇用の選択肢として現実的なものだと説明している。オーストラリアでロボット化されているのはシドニーのケンプス・クリークにある倉庫だけで、約2,500人の従業員が働いている。
AIを搭載した特注ロボットは、人間が商品を選定し箱詰めするため、商品を積んだ棚を自動的に移動させる仕組み。ただ、オーストラリアではロボットの修理やメンテナンスに必要な技術を習得するための訓練が進んでいないのが現状となっている。
アマゾンのグローバル広報担当のチャオ氏は、AIロボットや仕分け機はオフィスに設置されているコーヒーメーカーやスナックのようなものだとした上で、「ビジネスを継続的に運営し、成長させていくためには、人材の定着が非常に重要」と述べた。
一方、アルバニージー政権内部からは、アマゾンが労働法を軽視し、租税回避を行っているという非難が上がっているもようだ。オーストラリア労働組合評議会(ACTU)や運輸労働組合(TWU)、店舗・流通労働者組合(SDA)などの組合からもこのような批判が上がっている。
チャオ氏は、大規模な自動化は労働者にとっても良いことだと主張。安全性や仕事をより楽にしたいとの考えを示した。また、オーストラリアのように労働保護が比較的強いと考えられる国での事業運営について、「新しいシステムが現場の労働者に実際に利益をもたらすのか、彼らのフィードバックを得ることを重視している」と述べた。
同社は6月、オーストラリアのデータセンターに200億ドルを投資する方針を明らかにしている。
ソース:news.com.au-Amazon’s robotics, AI push not eliminating jobs as tech giant continues automation wave