【ACT17 日】 オーストラリアの6月の失業率は4.3%と、前月の4.1%から上昇したことが、オーストラリア統計局(ASB)の最新統計で明らかになった。アナリストはオーストラリア準備銀行(RBA)が今月、金利を据え置く決定をしたことが「政策ミス」だったことを示していると指摘している。
ASBによれば、6月は雇用者数が2,000人増加し、失業者数が3万3,600人増加した。働いている人と働こうとしている両者を足した労働力人口は3万5,600人増加した。雇用形態をみると、パートタイム雇用は4万人増加した一方、フルタイム雇用は3万8,000人減少した。この結果、月間の労働時間は減少し、実質的な労働力不足を示す過少雇用率もわずかに上昇した。
年齢別では15~24歳の若年層で失業率が9.5%から10.4%へ急増し、2021年11月以来の高水準となった。15歳以上の総人口のうち、実際に働いている人の割合は、64.2%で横ばいだった。
オックスフォード・エコノミクス・オーストラリアの経済調査部長、クルーズ氏は、「この統計は、RBAが速やかに利下げに動くべきであるということを示している」と指摘。最大の懸念は、米国のトランプ大統領の関税政策による企業投資の減速と、採用意欲の減退との見解を示し、オーストラリアの企業が直接的な影響を受けていなくても、世界的な不透明感が増しているとの見方を示した。
一方、連邦政府のチャルマーズ財務相は、失業率の上昇は世界的な経済の不確実性や金利の上昇が招いた避けられない結果だとコメント。多くの課題がある中、オーストラリアの失業率は依然として歴史的にみても低い水準にあり、労働参加率も過去最高に近い水準を維持していると述べた。
資産運用会社ベータシェアーズのチーフエコノミスト、バッセネーゼ氏は、7月の統計だけで雇用成長が鈍化していると結論付けるのは時期尚早としながらも、「6月期の基調インフレが2.7%以下であれば、RBAが来月利下げに踏み切る可能性は極めて高い」と述べた。
ソース:abc.net.au-Unemployment rate rises to 4.3pc in June