【NSW24日】 オーストラリアは鉱山資源による収入が減少し、向こう10年間で生活水準が低下すると、ウエストパック銀行のシニアエコノミストが予想している。「ラッキー・カントリー(幸福な国)」として知られるが、その幸運が尽きつつあるという。
ウエストパック銀行のブスタマンテ氏の分析によると、2000年から2020年までの20年間で、鉱業はオーストラリア人の生活水準向上に50%以上貢献してきた。ただ、今後は鉱物価格の下落や鉱業業界への投資不足により、その貢献が終わりを迎えるとの見方を示している。
ブスタマンテ氏によると、生活水準を押し上げてきた鉱業の貢献は、主に鉄鉱石などの輸出価格の上昇によるものだ。ただ、現在1トン当たり約103米ドルの鉄鉱石価格は、2027年に84米ドルに下落すると予測している。
ブスタマンテ氏はまた、連邦政府や鉱業が盛んな州が過度な借金をすることなく生活費支援や公共サービスの拡充を行えたのは、鉱業による収入があったからだと指摘。「平均的なオーストラリア人は、今後10年間の累計所得から7万5,000ドルの所得を失うことになる」と述べた。
一方、後部価格の下落を生産性の向上によって相殺することは可能と指摘。ビジネスのやり方や政策、ビジネス文化の改革が必要であり、「今まさに進んでいる技術の進歩を経済の成長につなげていくことが必要」と述べた。
ソース:news.com.au-Lucky Country era ending as commodity prices set to tumble