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オーストラリア研究―高齢者の機転の欠如が明らかに

シドニー - 公共の場で、尿漏れ、痔疾、勃起不全などの質問をされ、恥ずかしい思いをしたことはあるだろうか?心理学と高齢化のジャーナルで発表された、オーストラリア研究によると、高齢者からこのような質問をされたら、加齢に伴う脳の機能の変化による、機転の欠如が原因だと考えられえるという。

ニューサウスウェールズ州立大学の研究者によって行われた実験で、65歳から93歳までの高齢者のほうが、18歳から25歳までの若年者よりも、公共の場で個人的な質問をお互いにする傾向が強いことが分かった。
しかし、公共の場で、痔疾について質問をすることは不適切だという点では、高齢者も、若年世代の意見に賛成であった。

この研究結果は、加齢とともに、抑制思考能力が低下することを示していると、ニューサウスウェールズ州立大学心理学部助教授、ビル・ボン・ヒッペル氏は語る。
「この研究のポイントは、若年者に比べ、高齢者は慎重性に欠け、ある特定の話題について話すことが適切、または不適切かを判断する能力が低いことが明らかになったことだ。」と、ヒッペル氏は述べた。
若年者のほうが、個人的なことを話すことが不適切な状況では、口をつぐむことができるようだ。また、研究によると、若年者にも、個人的な質問をお互いにする傾向があったが、そのような話はプライベートで行われていたという。

ヒペル氏によると、これは年齢とともに人間の知能が低下するからではなく、社会的に適切かを認識する能力をつかさどる、脳の前頭葉が衰えるために起こるものであるという。
通常の老化の過程では、知能が低下することはない。だが、適切でない行為を考え、実行してしまうのは、その能力をつかさどる機能が衰えているということだ、と同氏は語った。

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