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ケミストウェアハウスの合併 リスク指摘も

【ACT29日】  薬局大手ケミスト・ウェアハウスとアムカルやディスカウント薬局などのブランドを所有するシグマ・ヘルスケアが合併し、88億ドル規模の巨大コングロマリット(異業種や産業に属する複数企業の経営統合によって形成される企業グループ)となる案について、オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)が現在、審査を進めている。

昨年12月に合併案が報じられた際、オーストラリア薬局組合は「患者ケア、地域薬局の所有権、競争」に対しリスクがあると警告した。「地域薬局のモデルでは利益を患者のケアより優先させることなく、患者が救命のために不可欠な薬を入手できることを保証してきた」と述べた。また、同組合は医薬品は“通常の商業品目”として扱うべきではないとし、規制当局は地域薬局セクターにおける企業化の増幅を警戒すべきと指摘した。

金融学を専門とするRMIT大学のチョン准教授は、合併が承認されればオーストラリア国民が薬やその他の健康関連商品を入手する方法を劇的に作り変えることになると予想。合併によりビジネスの効率、規模、交渉力が増大することで、消費者にとっては低価格につながる可能性がある一方、競争が減少し、より高い価格を請求したり製品の質を下げることも可能としてリスクもあると警告した。

ケミスト・ウェアハウスは現在、国内に600以上の小売店舗を持ち、シグマは卸売業者として約1,200軒の薬局と提携している。両社を合わせると新会社は国内で26%の市場シェアを持つことになる。

 

ソース:news.com.au-A proposed mega merger could see chemist prices rise and patient care put at risk, critics warn

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