国際

「豪は台湾に関し現状維持」 中国訪問の連邦首相

【ACT13日】   アルバニージー連邦首相は訪問先の中国で、台湾を巡って米中が戦争を始めたらどうするか聞かれ、「台湾に対する現状の姿勢を維持する」と答えた。インド・太平洋地域で中国の脅威が目前に迫っているとして、米政府が連邦政府に圧力をかけていると報道されている。

上海で13日、中国政府関係者らが同席する中アルバニージー首相は「地域の平和と保安の前進に向けて、能力と国際関係への投資を目標とする」「台湾の未来に関し、オーストラリアの姿勢は変わっていない」「一方的な行動は支持しない」「国際関係は、安定し、秩序があり、一致団結することが大事だ」と記者団に向かって話した。

また、台湾を巡った紛争で、米英豪による安全保障枠組みオーカス(AUKUS)で得た原子力潜水艦の支援を米国から求められたか聞かれ、アルバニージー首相は口を閉ざし、「地域の平和と保安と追及するオーカスの合意を通して」とのみ答えた。台湾を巡って米国とプライベートな会話があったかどうかの質問には、「プライベートなことに関し、記者会見でコメントしない」と言い切った。

中国の肖千・駐オーストラリア大使も、表情を変えずにアルバニージー首相の返答を見守っていた。アルバニージー氏の訪問に先立ち、千大使も豪中の対話を防衛や保安面からそらし、貿易や観光など共通の利益に向けようとしてきた。

12日夜に米国防総省から出たコメントも豪中関係に役立っていない。コルビー米国防次官は「国防省は、トランプ大統領の“アメリカ・ファースト“の遂行に焦点を置き、力で抑止力を取り戻し、平和を達成する」「防衛費の引き上げなど協力を同盟国にも求める」「率直な会話を好まない同盟国もいるだろう」とソーシャルメディアに投稿した。

ホワイトハウスのキャロリン・リービット報道官も先月、オーストラリア人記者に対し「米国の同盟国が欧州で防衛費を引き上げるのなら、アジア・太平洋地域でも引き上げられるだろう」と述べた。同氏は2027年までに中国が台湾を侵攻すると警告する。中国が台湾を侵攻すれば世界中の船会社を混乱させ、半導体の供給に影響が出る。

ソース:news.com.au- Australia backs ‘status quo’ amid US pressure on Taiwan

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