【ACT16日】 オーストラリア医師会(AMA)はこのほど、ソフトドリンクなどの飲料製造業者を対象とする、新たな課税案を提案したことが分かった。肥満や2型糖尿病の増加への対策として提案するもので、コーディアルやエナジードリンク、ジュースなどが対象となる。
AMAが「全国糖尿病週間」に合わせて発表したのは、砂糖入り飲料や甘味ジュースなどを対象とする、いわゆる「砂糖税」だ。同案によると、砂糖100グラム当たり50セントの税を課す。例えば、砂糖を39.8グラム含む375ミリリットルの「フルシュガー・コーラ」には19.9セント、34.8グラムを含む600ミリリットルの「ベリーアイス・パワレード」には17.8セントを課税する。
小児科医でマッカーサー選挙区のフリーランダー議員は、砂糖入り飲料への課税が砂糖の使用量を減らす動機になるとする一方、税制は教育施策とあわせて導入されるべきとの見解を示した。同議員の要請で議会予算局が2024年に発表した試算では、砂糖入り飲料に20%を課税することで、2年間で13億ドル以上の税収が見込まれる。ただ、導入前に試験的運営を行うべきとの考えを示した。
フリーランダー議員はさらに、教育こそが公衆衛生の改善に最も効果的だと強調。具体的な例として、子どもが学校やショッピングセンターへ歩いて行けるような都市計画の必要性や、健康的な食品へのアクセスの改善を挙げた。
AMAのライト副会長は、砂糖税こそが肥満や2型糖尿病といった慢性疾患の増加を抑える「最良の主題」だと述べた。また、この提案により、一人当たりの砂糖消費が2キログラム減り、36億ドルの財政効果が得られ、その資金を他の予防医療対策に投資できるとの見解を示した。
砂糖税は英国、フランス、メキシコ、アイルランドなど100以上の国や地域で導入されている。
ソース:news.com.au-AMA, Labor MP Michael Freelander calls for sugar tax on sweetened drinks